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借りを返しに来たアリエッティ

2010年09月07日

夏休みにばあちゃんちで出てくる素麺のように、上品で薄味だったアリエッティ。
大変結構だったけど、メカも爆発もなくてちょっと物足りなかった。
駿が若かったら絶対こんなんだろう。

敵は樹木希林とかじゃなくて、小人の遺伝子を狙う永田重工みたいな悪のバイオ企業。
主人公のガキと二人で、クライマックスで籠城戦やるの。
「借りたものは返す!それが床下の小人の掟!」
とか言って、結局使わなかったあのマチ針はもちろん、ダイナマイトみたいに全身に巻きつけた爆竹、そしてイギリスから持ってきた改造リベレーターが炸裂!家は小人の住処ごと大爆発!
バイオ企業に通していた樹木希林は失職!
ラストは、敵のボスと刺し違えに発作で倒れたガキの心臓を、小人だけが知っている秘密のハーブで治してハッピーエンド。
ガキのポケットに大粒のダイヤを残し、「借りた」豪華なドールハウスで川を下って引越していくアリエッティ一家。
「へへへ…またやっちまったか。今度はボリビアで銀行強盗でもやるかな!」
いかん、だんだん別の映画みたいになってきた。


アルバトロスすきやき

2010年09月04日


世の中で一番うまそうなすき焼きというと、やっぱり「死の翼アルバトロス」の冒頭に出てくるあれだろう。
宮崎アニメに出てくる食い物の魅力は、最早池波正太郎に並ぶのではないか。
リアルタイムで見た頃は、ルパン達がわざわざヨーロッパまで来てすきやきを食べるのはギャグの一種なのかと思っていたが、最近になってようやくあれはルパンというか宮崎駿流のオシャレなのだと気づいた。
だってあの材料を当時のヨーロッパで手に入れようと思ったらどれだけ大変か。
割り下はもちろんのこと、薄切りのロース肉(当時はそこまで派手な霜降りではない)焼き豆腐、春菊、ネギ、しらたき、ニンジン、えのきにしいたけ。
割り下や豆腐やしらたきは、日本人向けの商店で輸入物が手に入るかもしれないが、肉となるとわざわざ日本から輸入なんかしない、そしてヨーロッパ人は生肉を薄切りなんかにしないのだ。
(最近は日本人や韓国人に向けてそういうサービスしてくれる肉屋もあるらしいが)
カリオストロの時みたいな素寒貧状態ならともかく、一応そこそこ金を持ってるはずのルパンたちがすき焼きの肉を奪いあうのが当時不思議だったのだけど(特に五右エ門、おめえ肉食うのか)、あんなヨーロッパの閑静なリゾート地ですき焼きを食べるために要したであろう手間を思うと、ルパンたちの気持ちが今ならわかる。それこそ王立カジノの大金庫を破るくらいの難易度ではあるまいか。
向こうの肉屋は嫌がって生肉の薄切りなんてやってくれないし(味が抜けるんだそうな)、無理に切らせて刃を汚したりするのもルパンの主義に反する。
多分あのキャンピングカーには自前で調達した新品のスライサーが積まれていたのではなかろうか。
しかも、そこそこきれいな薄切り肉ができるまでに相当失敗したはずだ。
金さえ積めば誰でも出来る「53年もののドンペリを華氏38度で」とかじゃなくて、そういう無駄なバカを嬉々としてやることにダンディズムを見出すのが、宮崎流のルパン解釈なのだろう。
ビールは入れない方がうまいと思うけどな。