「三菱UFJ信託銀行」は、日本の銀行として初めて中国の資産運用会社に出資し、企業年金の増加などで市場拡大が見込める中国での資産運用ビジネスに本格的に乗り出す方針を固めました。
関係者によりますと、三菱UFJ信託銀行は、中国の上海を拠点に資産運用事業を展開する「申万巴黎基金管理」の株式の33%をおよそ90億円で取得することで基本合意し、現地の金融当局と最終的な調整を進めています。日本の銀行が中国の資産運用会社に出資するのは初めてで、役員を派遣して関連会社に組み入れ、中国での資産運用ビジネスに参入する方針です。この資産運用会社は、主に個人顧客の資産およそ1300億円を運用していますが、三菱UFJ信託では、急速な経済成長に伴って中国国内で個人の投資熱が高まっていることに加え、今後、企業年金などが増え、機関投資家向けの事業が急拡大していくと見込んでいます。中国では、外資による資産運用ビジネスへの参入規制が緩和される方向で、今後、日本の金融機関の間でも参入の動きが強まりそうです。