三つどもえでパの覇権争いをしている西武に激震だ。エース涌井秀章投手(24)が6日未明、東京都渋谷区で乗用車を運転中に追突事故を起こした。相手運転手は軽傷で、涌井にけがはなかったが、事故の影響でローテーションの変更も考えられる。2位チームに1・5ゲーム差をつけて首位を走る西武。ペナントレースの正念場を迎えた中でのエースの不注意が、チームの足を引っ張らなければいいが…。
原宿署によると、相手はタクシーで、60代の男性運転手は首を打って全治1週間程度。涌井に飲酒の形跡はなく、前方不注意が原因とみられる。同乗者はいなかった。球団によると、涌井が事故を球団に報告。小林球団社長は「普段から車には十分に注意するように言っている。当分、車に乗って球場に来させない」と話した。処分は考えていないという。
涌井自身も「相手の方には大変申し訳ないと思っております。大切な時期に事故を起こしてしまい、ファンのみなさんをはじめチームにご迷惑をおかけして申し訳ありません」とコメント。反省の姿勢を示している。
チームは7日からの本拠地6連戦に備え、この日は休養日だった。涌井は4日の楽天戦で9回に崩れ、逆転負けに導いた張本人。次回登板予定の11日のロッテ戦では、エースの信頼を取り戻さなければならない。
そこに起きた事故。2位ロッテとの直接対決となるだけに、首脳陣も慎重にならざるを得ない。橋本投手コーチは「明日(7日)、涌井も交えて今後の話をしたい。精神的なショックもあるだろうし」とローテーション変更の可能性に触れた。残り16試合。これからは、わずかな油断やミスが命取りとなる。
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