柔道世界選手権を控えた調整合宿が公開され、激しい練習を披露する男子100キロ超級の鈴木桂治(左)
柔道世界選手権(9日開幕、国立代々木競技場)の男女の日本代表選手32人が6日、都内で最終調整合宿に入った。男子100キロ超級に出場する04年アテネ五輪金メダル、08年北京五輪初戦敗退の鈴木桂治(30)=国士舘大教=は、親交あるプロ野球阪神の新井貴浩内野手(33)からのゲキに応え、再起の舞台に挑戦。無差別級を制した03年大阪大会、100キロ級を制した05年カイロ大会に続く、世界選手権3階級制覇を目指す。
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猛虎の主砲の言葉を、鈴木は振り返った。「『まだ30だろう?年のせいにしちゃだめだ』って言われましたね」。アテネ五輪金メダル、北京五輪初戦敗退。栄光と挫折を経験し、6月に30歳を迎えた身に、新井のゲキがしみ通った。
優勝した05年世界選手権以降、北京五輪の初戦敗退など世界大会で結果は出せていない。「『鈴木はできるのか』『昔は強かった』と言われて悔しかった」と厳しい言葉を受けたことを明かす。だからこそ「昔の柔道、昔の技でなく、今の自分で勝ちたい」。年齢とともに積み上げてきた30歳の柔道で挑む思いだ。
「デカい大会は緊張とプレッシャーが課題。打ち勝って優勝する」とV宣言。「プレッシャーに勝つため?練習しかないでしょう」と言う。納得する練習量を自信に変えて、復活の舞台に立つ。
新井とは昨年知り合い、親交を深めてきた。「飲みの席ではバカ話ばかり」という気心の知れた仲。“セ界制覇”へまい進する新井に、一足先に達成する“世界制覇”を報告する。
(2010年9月7日)