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抗生物質効かぬ新耐性菌、国内初検出

 インドやパキスタンで発生し、欧州などで感染の拡大化をみせる「ニューデリー・メタロベータ・ラクタマーゼ1(略称・NDM1)」という遺伝子を持つ抗生物質の効かない新型の菌の感染例が日本国内で初めて検出されたことが6日、分かった。独協医大病院(栃木県壬生町)に昨年4月に入院した50代男性で、保管していた菌を今年8月に再検査したところ、NDM1であることが判明した。

 急きょ6日に記者会見した独協医大病院の菱沼昭准教授は「感染経路は不明だが、インドから持ち込まれたと考えている」とNDM1を遺伝子として持つ大腸菌について見解を示した。

 菱沼氏によると、感染していた50代の男性は、インドで病院にかかり帰国。直後の昨年4月に入院し、尿検査で別の耐性菌への感染が発覚して遊離措置がとられた。同5月に約38度の熱を出し、血液検査で多剤耐性(2つ以上の抗生物質を受け付けない性質)の大腸菌を検出。当時は日本で多かった耐性遺伝子とは違う“原因不明”とされた。

 今年8月18日、厚生労働省から新耐性菌の疑い例に関して国立感染症研究所に連絡することが、全国の各医療機関に要請された。同病院が凍結保存していた男性の大腸菌を培養して調べた結果、同27日にNDM1であることが判明した。

 男性は昨年10月に退院。当時個室での入院だったこともあり、院内感染はしなかった。

 NDM1遺伝子を持つ細菌は、インドやパキスタンが発生源とみられ、患者が欧州やオーストラリアで急激に増えている。世界保健機関(WHO)などが各国に監視を呼び掛けていた。英医学誌ランセットなどによると、感染者の多くは医療費の安価なインドやパキスタンで美容整形手術などを受けていた。

 今年6月には、パキスタンを旅行中だったベルギー人男性が、交通事故に遭って、病院で治療し帰国。NDM1への感染が分かり、抗生物質を投与したが効果はなく死亡した。

 NDM1は大腸菌や肺炎桿菌(かんきん)などの腸内細菌から見つかっており、細菌から細菌へ遺伝子を受け渡して、拡大する恐れがあるとされている。この日、独協医大病院の会見では「患者は部屋から一歩も出ておらず、感染拡大は防げた」としながらも「世界中で広まっているので日本でもはやる可能性はある」と懸念を示した。最後に「インドから帰国後に発熱したら、医療機関を訪れるように」と注意を呼び掛けた。

 [2010年9月7日9時27分 紙面から]


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