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小俣雅子先生 インタビュー


 2008年4月1日掲載
小俣雅子先生インタビュー

人間関係の基本は『できるだけ、人を嫌わない』

――このたびは、東京学芸大学客員教授、ご就任おめでとうございます。
小俣先生ってお呼びするべきなのですが、ラジオの「小俣さん」に長く親しんでしまっているので、「小俣さん」と呼ばせてください。

このホームページは公開講座の検索サイトなのですが、おもに、社会人にむけて今の大学を紹介していきたいと思っているので、今日は、小俣さんの大学での授業のこと、また、小俣さんが広げていこうと思っていらっしゃる社会人向けのセミナーのお話を聞かせてください。



小俣さん:はい、企業向けの「話し方講座」は、去年から始めています。
この6月に東京書籍から出した「気分のいい日を『ことば』がつくる」という新刊が研修における教科書的な存在になっていますが、「話し方」といっても、「しゃべり方」の技術ではなくて、社会での「生きる基本」のようなことをお伝えできれば嬉しいと思っています。

「気分のいい日を『ことば』がつくる」仕事の場で出会う人たちは、一緒に働く仲間ではあるけど、必ずしも、その仲間を「好きになる必要」はないわけですね。「お友達」ではないのですから。

それでは、職場で一緒にやっていくためにはどうしたらいいのか、「好きにならなくてもいいけれど、人間関係の基本は『できるだけ、人を嫌わない』ことですよ」ということをお話しています。



「自分の個性や特徴を知る」、そして、それを活かした話し方を身につける

――ラジオの仕事で、毎日、何人ものゲストやスタッフと仕事をしてきた小俣さんならではの人間関係のマネージメント、社交術ってことですね。
つまり、ただ単に、「おしゃべり上手」になる必要はない・・と。



小俣さん:ええ、必ずしも流暢に話す人だけが「話し上手」というわけではないのです。
言葉の数は多くなくても、じんわりと相手の心にしみいるような温かい声の持ち主もいます。トツトツと語りかける味わいのある人が、説得力でまさることもあるし、気持ちを上手に伝えられることもあります。

大事なのは、「自分の個性や特徴を知る」、そして、それを活かした話し方を身につけることです。



言葉を貼り替え、人をむやみに嫌うことから自分を遠ざける

――小俣さんにとって、大学での講義っていうのは、どんな感じでしょうか。



小俣さん:ものすご〜く、新鮮です。社会人の反応と違うところは、学生さんのほうが周りの目を気にしないで、素直に答えてくれる点でしょうか。しかも、速い!  即答してくるのです。

例えば、生きる基本は「できるだけ人を嫌わない」ことですよという話をする時に、「あなたが苦手に思っている人、ハッキリいって嫌いな人の嫌な部分、苦手に思う特徴をあげてください」と質問すると、それぞれが

「わがまま、態度がデカイ」
「話がくどい、人の意見を聞かない」

などと、あまり考え込まずにポンポンと出してくるのです。

誰のことなのか聞いてみると、兄弟だったり先生だったりするのですが。



――授業はそのあとどういう風に進むのですか?



小俣さん:これは、「ラベルの貼り替え」という項目で、本にも書いてあるのですが、苦手な相手に貼っている嫌な部分の「特徴」をはがして、違う言葉のラベルに貼り替えるという作業です。

例えば「わがまま、態度がデカイ」は、「マイペース、自信に満ちている」というように貼り替えることができるのではないでしょうか?

別に一生のお友達になるわけではなく、仕事の場でともに働くという間柄なのですからね、そうやって、言葉の貼り替えをすることによって、人をむやみに嫌うことから自分を遠ざけることができるようになります。

苦手意識を持ったまま事に取り組んでいると、気持ちが後ろ向きになってしまい、作業効率があがらなかったり、しなくてもいい失敗をしたりしますからね。

学生さんには、社会に出て2年3年経ったころに、この講義を思い出してもらえれば、きっと役に立つと思います。



――このサイトは大学の公開講座の検索サイトなので、大学の公開講座の担当の方もお読みになると思います。 小俣さんの講義は、学生ももちろんですが、社会人の方にも聞いてもらいたいですよね。
もし、小俣さんに他大学から、そういう講座の要請があった場合は、この公開講座のサイトに連絡していただければ、小俣さんにつなぐようにしますね。



100パーセント本当の私ではない、どこか「根なし草」感にいつも包まれていた・・・

――今回、この「小俣雅子の人生が変わる話し方講座」のプログラムを作っている過程で感じたことはありますか?



小俣さん:32年という長い間、ラジオの仕事をしてきました。毎日が生放送でしたので、毎日がごきげんで、毎日が満開の花を咲かせていなくてはならなくて、楽しいけれど無理をしていた部分もあったと思います。瞬発力を常に求められていましたし、打たれ強くもなりました。

「小俣雅子」というキャラクターが放送に出ていたということもあって、それは100パーセント本当の私ではないわけですよね、ですから、どこか「根なし草」感にいつも包まれていました。

今回、この「話し方講座」のプログラムを作ってみて、32年間つづけてきたことを体系化できたような気がします。水に浮いていた根っこが伸びて広がって、大地に根づいて安定したという感じです。

番組が終わった時が55歳でしたので、次にもう一つ、私にできる仕事があると思えたことも幸せでした。まだ充分に体力も気力も残っていますので、この研修の仕事は10年、20年と続けていきたいです。



60歳の誕生日の夜には、真っ赤な衣装を着て単独ライブ!?

――他にやりたいことはありますか?



小俣さん:50歳になった時にフラメンコのレッスンを始めたのですが、60歳の誕生日の夜には、真っ赤な衣装を着て、単独ライブをやろうと思っています。観に来てくださいますか?(笑)



――すごい! でも、なんで、フラメンコを?



小俣さん:これは、やはりラジオでのエピソードなのですが、85歳のおばあちゃんのフラメンコダンサーがゲスト出演されたことがあるのです。
とても小さなおばあちゃんで、スタジオに入ってくる時も、付き添いの方にささえられてという感じだったのですが、スピーカーから音楽が流れてきたら、突然、背筋がピンと伸びて、情熱的な踊りをされたのです。
その出会いが私の50歳の時でした。

その時にね、私がこれからフラメンコを始めて35年続けられたら、こんなに魅力的なおばあちゃんになれるかもしれないと思い、すぐに入門クラスにはいったのです。



――すごいです!
こういう小俣さんのパワーに触れるだけでも元気になります。
ぜひ、大学の学生の講義だけでなく、公開講座などで小俣さんに触れる機会が私たちにもあればいいな、と思います。

今日はどうもありがとうございました!

プロフィール

1952年生れ。東京学芸大学教育学部卒業後、アナウンサーとして文化放送に入局。
1987年にスタートした「吉田照美のやる気MANMAN!」にレギュラーパーソナリティとして20年出演。『AMラジオ界の女王』と呼ばれる。
2007年春より、本格的な「話し方講座」のプログラムを、心理学・メンタルヘルスの専門家とともに開発し、「小俣雅子の人生が変わる『話し方』講座」のセミナー講師としても活動を始める。
2008年春より、東京学芸大学客員教授に就任。
また、「気分のいい日を『ことば』がつくる」(東京書籍)が出版された。