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“小沢首相”期待も「火中のクリを拾うようなことをしなくても」

民主党代表選で支援者と握手する小沢前幹事長
民主党代表選で支援者と握手する小沢前幹事長
Photo By 共同

 閉店し色あせたスナックの看板とひび割れたアスファルト。改札を出ると秋の気配を感じさせる風が吹き抜けた。駅舎の南部鉄器の風鈴が寂しくチリンと鳴った。小沢一郎民主党前幹事長の地元で岩手県奥州市のJR水沢駅。1日の乗降客は約3800人で町の人影は少ない。代表選告示後の9月初めに「小沢王国」を訪ねた。首相誕生への期待が高まる一方、不安も交錯していた。

 小沢氏の実家があり、駅から5分ほど歩いた水沢区袋町の通称「小沢通り」。目につくのは代表時代の小沢氏の笑みを大写しした「国民の生活が第一」とのポスター。菅直人首相の顔は見当たらない。

 「当選すれば(水沢出身では)斎藤さん以来の首相。気骨で日本を変えてほしい」。通りで声を掛けた無職の男性(93)は、戦前の首相斎藤実を引き合いに期待を寄せた。「自分たちで育てた男だと思ってる」と誇らしげだ。

 しかし、通りにはポスター以外に「首相選び」の熱気はない。

 小沢通りを外れ、前回の衆院選で選挙事務所に使われた不動産会社を訪ねると、後援会の男性(62)が「景気がどん底だから町に元気がない」と沈んだ様子。社長の妻佐藤ケイ子さん(75)は「小沢首相」誕生への期待をひとしきり語ると「(立候補で)火中のクリを拾うようなことをしなくても」とポツリ。景気対策などの難題が山積の現状では手放しで喜べない。

 国のトップを目指す姿に、一部に冷ややかな見方もある。

 小沢氏を支持する同級生が多い中、小学校の同級生の男性(67)は、政治とカネの問題を「言いづらいですけど説明が足りないと思います」ときっぱり。今後の選挙でも応援するが、説明責任は重要との考えだ。

 駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(53)は「景気が悪すぎて誰が首相に立っても同じ」とため息。「近くの胆沢ダム建設で少し景気が良くなると思ったら、そのダムの問題に絡んで秘書が逮捕されるしね」と皮肉った。

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