宮崎県の家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)の終息宣言に伴い、被害農家のトップを切って日向市の畜産農家10戸が6日、競り市で牛12頭を買い付け、経営を再開した。
同市東郷町の肥育農家、谷口峰久さん(59)は、この日延岡市であった競り市で生後14カ月の雌牛を94万8000円で落札した。牛舎では妻まつ子さん(55)が出迎え「新しくお嫁さんを迎えた気持ちです」と感激の様子。きれいに掃除し、おがくずをまいた牛舎に雌牛を導いた谷口さんは「感激です。牛は生きがいで生活の一部。2、3年かけて以前の頭数に戻したい」と話した。
市内では6月、1農家で発生が確認され、牛豚合わせて約1500頭をワクチン接種後に殺処分。谷口さんの牛11頭も6月12日に殺処分されていた。
発生した5市6町のうち西都市は9月末以降、被害が最も集中した川南町など県央部では11月以降の経営再開を目指している。【荒木勲、写真も】
2010年9月7日