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逃げる外国人投資家、株安招く 東証売買、低水準続く

2010年9月7日9時4分

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 東京証券取引所第1部の8月の1日平均売買代金が、2004年8月以来約6年ぶりの低水準に落ち込んだ。売買シェアの約6割を占める外国人投資家の資金が日本市場から離れ、最近の株価低迷にもつながっている。9月に入っても低水準で推移しており、民主党代表選が決着する今月中旬まで東証の「長い夏休みが続きそう」とのあきらめ声さえ聞こえてくる。

 売買代金は、東証で1日に取引された株式にその株価をかけた金額の合計。売買が活発だと金額は膨らみ、低調だと金額は減る。市場では2兆円を活況の目安とする声が多い。8月の1日平均は前年同月比約22%減の約1兆1700億円。9月も1日1兆〜1兆3千億円台に低迷している。

 戦後最長の景気拡大を記録した06〜07年は、日本企業の業績の好調さに目をつけたヘッジファンドなどの海外投資家が積極的に取引に参加。1日3兆円を超える日も多かった。1985年以降で最高を記録した07年2月は、外国人投資家の売買は1日平均で約1兆3千億円に達した。

 しかし、07年に表面化した米サブプライムローン問題を機に、海外の資金は日本から引き揚げ始め、08年のリーマン・ショックでその流れが加速した。売買代金は急減し、09年は2兆円を下回る水準で推移。今年はギリシャ・ショックが表面化し、ここ数カ月はさらに低迷している。

 8月は、外国人投資家が第2〜4週の3週連続で売り越し、その累計額は約2400億円。月内に5回、日経平均株価が今年最安値を更新する原因の一つになった。世界的に経済情勢が見えにくくなる中、リスクが比較的高い株式から債券などより安全とされる資産への資金シフトが起きていることも背景にある。

 日興コーディアル証券の小林久恒シニアマーケットアナリストは「リーマン、ドバイ、ギリシャと世界的な金融ショックが続く中、投資家は本腰を入れて株を買うという心理にはなりづらい」と説明。短期的には、民主党代表選で「政治空白」に入っていることも積極的な売買に乗り出せない原因に挙げる関係者も多い。(千葉卓朗)

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