現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 裁判
  5. 記事

検察捜査は「魔術のような怖さ」村木・厚労省元局長語る(2/3ページ)

2010年9月5日3時1分

印刷印刷用画面を開く

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

【動画】心境を語る村木厚子・厚労省元局長

写真:自宅でインタビューに応じる村木厚子・厚労省元局長=埼玉県内、山本裕之撮影自宅でインタビューに応じる村木厚子・厚労省元局長=埼玉県内、山本裕之撮影

写真:大阪拘置所から家族に出した手紙を手にする村木厚子・厚労省元局長=埼玉県内の自宅、山本裕之撮影大阪拘置所から家族に出した手紙を手にする村木厚子・厚労省元局長=埼玉県内の自宅、山本裕之撮影

 私の指示で偽の証明書を発行した、と捜査段階で説明した当時の係長(上村勉被告、同罪で公判中)らを恨む気持ちはない。逆にそういう調書を作った検事が怖い。公判では、凛の会側から証明書発行の口添えを依頼されたという国会議員が、その日に別の場所にいたことも明らかになりました。私たちは検察を頼りにしているし、必要な組織。捜査のプロとしてきちんとやってほしかった。

 ■164日間の大阪拘置所生活

 朝晩の点呼の時は自分につけられた「13番」と答えました。昨年6月14日の逮捕の翌日、容疑者が裁判官の勾留質問を受けに行くための専用バスに乗る際、初めて手錠と腰縄をつけられました。腰縄をきつく締められた時、「これが犯罪者の扱いなんだ」と感じました。

 拘置所では約150冊の本を読みました。朝と夜に聴けるラジオでは、頻繁に児童虐待事件のニュースを耳にしました。そのたびに(雇用均等・児童家庭局長だった自らの立場から)「何とかしたい」と思いました。

 家族との接見が禁止されている時は弁護士が何度も接見室を訪れ、アクリル板ごしに「しっかり心をもって」「100%信頼しています」などと書かれたり、夫(56)と長女(25)、次女(19)が並んだ写真が張られたりした手紙を読ませてくれました。3人とは100回以上、文通もしました。夫と頻繁に手紙をやり取りしたのは初めてで、気持ちを伝えたい大切な相手だと改めて気づきました。

 否認を貫けたのは、娘2人の存在があったから。自分が頑張れない姿を見せてしまうと、「2人が将来つらい経験をした時にあきらめてしまうかも」と思ったのです。共働きだったので、娘と一緒にいる時間が少なくて、申し訳ないとずっと思っていました。今回はそんな2人に助けられたのです。大学受験を控えていた次女は私と接見するため、夏休み中は大阪の短期マンションを借り、塾に通いました。

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

ダイヤモンド経済小説大賞を受賞した作家でもある弁護士・滝沢隆一郎による書き下ろし。「営業秘密と男性用かつら顧客名簿事件」ほか。

秋田の裁判員裁判で「ギャンブル依存症」が量刑判断の一つになった。その実情に迫る。

八ツ場ダムの本体工事は中止で、かつて地域の再建に描いた夢は消え、未来は見えない。


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介