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【ゴルフ】石川遼が同一大会初の連覇 高校の先輩・薗田とプレーオフ2010年9月6日 紙面から
◇フジサンケイC<最終日>▽5日、山梨県・富士桜CC(7405ヤード、パー71)▽晴れ、気温28・3度、風速2メートル▽賞金総額1億1000万円、優勝2200万円▽参加60選手▽観衆6199人 遼、薄氷の大会連覇! 首位発進の石川遼=パナソニック=が70で回り、67をマークした東京・杉並学院高時代の2年先輩・薗田峻輔とプレーオフに突入。4ホール目で遼がパーをセーブしたのに対し、薗田がパーパットを外して決着した。遼は初の同一大会連覇を達成、日本ツアーでの最年少連覇記録を32年ぶりに更新した。今大会での連覇は1989、90年に達成した尾崎将司以来、20年ぶり。さらに、この優勝で遼は賞金ランキング首位に躍り出た。ジュニア時代に“対決”を夢見ていた2人のプレーオフは“遼・峻時代”到来を思わせる熱い戦いとなり、大ギャラリーの喝采を浴びた。 本戦は前後の組で18ホール、プレーオフは4ホール。計22ホールの激闘は、薗田がパーパットを外すというあっけない幕切れとなった。「最後の先輩のパーパットを見るときも、外す予感はなかった。次のホールに行ける心の準備ができていた。そう思っていた分(外れて)衝撃は大きかった」と遼。戦いを終えた2人はお互いの健闘をねぎらい抱き合った。 遼にとって最終日は厳しい一日となった。前半で1バーディー、2ボギーと一歩後退。“得意のイン”では10、11番で連続バーディーを奪ったが、12番でボギー。15、17番のパー5ではバーディーを奪えず、スコアが伸びない。先輩・薗田の進撃の足音が聞こえてきているようで「本当に有言実行だなと。後半になってもスコアを崩さないあたりはさすが。僕もチャンスを逃し続けていて“置いておかれるのでは”と不安はあった。それがパットのボールの転がりを少し狂わせた要因だった。優勝という2文字がこぼれそうになるのが早かったので、その分つらい時間が長かった」と振り返る。 ◆「闘志燃えた」通算10アンダーに伸ばしていた薗田。17番をパーで終えて通算8アンダーの遼。このとき「あきらめかけました」という。だが、リーダーボードが薗田の通算9アンダー後退を告げると「消えかかった闘志が、一気にまた燃えた」。本戦の最終18番。左バンカーからピンまで176ヤード。8番アイアンでピン1・5メートルにピタリ。大観衆がわく“スーパー”ショットでバーディー奪取。プレーオフに持ち込んだ。 すべての視線が2人に集まっていたプレーオフ。「夢のような時間でした。変な言い方ですけど、このまま続いてほしいというか、いつまでもできるプレーオフでした」 これから幾度も生まれるであろう、先輩・後輩の名勝負。ひとまずこの日は遼が勝ち、賞金ランキング首位に立った。「全然意識していませんでした。最も勝つチャンスのある試合で勝てて自信になる。これからもすべての試合で優勝争いに絡めるようにしたい」。遼が2年連続賞金王へ突き進む。 (櫛谷和夫)
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