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【大リーグ】

松井13年ぶり借金シーズン!? エンゼルス今季ワーストタイ「6」

2010年9月6日 紙面から

8回、右飛に倒れるエンゼルスの松井秀=オークランドコロシアムで(社英夫撮影)

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 【アナハイム阿部太郎】松井に13年ぶりの借金シーズンが忍び寄ってきた。エンゼルスは4日(日本時間5日)、アスレチックスに1−3で敗れ、借金は今季ワーストタイの「6」になった。松井秀喜外野手(36)は2度の好機に凡退。このまま勝率5割未満でシーズンを終えればチームとしては03年以来で、昨季まで“常勝軍団”のヤンキースでプレーしてきた松井にとってはメジャー初。このままでは、巨人時代でもプロ1年目の1993年、97年とわずか2度しかない屈辱的シーズンとなってしまう−。

 「チョー、ヒドイ」。米国人のエンゼルス番記者が覚えたての日本語であざ笑うほどの、お寒い内容だった。消化試合モード全開のエンゼルスは相変わらずの拙攻と凡ミスを繰り返し、得点はハンターのソロ本塁打のみ。頼みの綱の松井も1回2死一、二塁、3回2死満塁の絶好機で無音だ。「どちらも(いい当たりが)正面にいった」という不運だったといえ、エース右腕ウィーバーの粘投をフイにしたチームはここ10試合で7敗目、ついに借金は今季最多タイの「6」にまでふくれあがった。

 このままいくと、巨人、ヤンキースと常勝軍団に身を置いてきた松井にとって、勝率5割未満という13年ぶりの屈辱的なシーズンとなる。過去、松井はヤンキース時代に借金でシーズンを終えた経験がない。

 巨人でも、1年目の93年(借金2)、5年目の97年(同9)のわずか2度だ。勝率5割に到達するには、残り26試合で16勝が必要だが、ア西地区首位レンジャーズと10・5ゲーム差で優勝争いから脱落し、首脳陣、選手を含めて勝利への執念が希薄になった今のチームが今後、勝ち星を積み重ねていくとは考えにくい。松井個人にとって、最悪のチーム成績となる可能性は十分にある。

 「チームが勝つためにプレーする」。常に松井が口にしてきた言葉だ。あきらめムード漂う中、ただ一人、その流れに打席で反抗しているようにも映る。常に勝利を義務付けられてきた男は、自らのバットで借金減らしに全力を尽くすしかない。

 

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