監督デビュー22年目にして、初の連作・続編に選んだ作品は、世界のキタノの真骨頂=バイオレンス・アクションだ。
「アウトレイジ」は北野監督が自ら主演し、椎名桔平(46)、三浦友和(58)ら大物俳優たちが現代の暴力団抗争を熱演。5月のカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、あまりの残虐描写に外国人記者の間では、賛否両論の渦が巻き起こった。日本でも同様の注目を集め、観客動員60万人、興収7億5000万円を記録した。
第2弾製作を発表したオフィス北野社長で、北野映画のプロデューサーでもある森昌行氏(57)は「この成績に映画興行関係各社の満足度も高く、続編製作を決定した」と説明。文書でコメントを寄せた北野監督は、「『アウトレイジ』はキャストがピタッとはまったし、面白い作品に仕上がったと思うよ」と納得する一方、「でも出来は合格点ギリギリ。自己採点すると60点だな」と辛口評価を下した。
続編の詳細については「新たな豪華キャストの顔ぶれと『アウトレイジ』を超えるストーリーにご期待ください」と森プロデューサー。4月のイベントで次回作について北野監督は「日本の大物俳優を集めて1本撮りたい」と語っていただけに、北野組に再び夢のキャストが集結しそうだ。
「(前作)より面白く、より楽しめる、より完成度の高いエンターテインメント作品にできたはず。この思いを『2』にぶつける」と監督。並々ならぬ決意を感じさせた。