「マリナーズ2-4インディアンス」(4日、シアトル)
0‐4の七回2死一、二塁。マリナーズのイチローが打席に入る直前にマウンドに上がったのは、07年8月の初対戦以来、6タコに封じられている中継ぎ左腕のR・ペレスだった。
過去に何度も苦杯をなめてきた相手。手の内は知り尽くしている。カウント0‐1から投じられた初球と同じスライダーをとらえにいった。バットのしんを外されイチローが一瞬、表情を変えた飛球が左前に落ちる。4年越しの初安打。チームに1点目をもたらした。
連続試合安打を6に伸ばした六回の中前打も詰まり気味のライナーだった。「しんに当ててしかヒットにできない選手は、人よりヒットは打てないですよ」。かつてそう話したことがあるイチロー。球審のストライクゾーンが安定しない中、メジャーを独走する今季56度目の複数安打を記録した。
七回の守備では右中間最深部へのライナーを走って好捕し、本拠地をどよめかせた。10年連続200安打まであと24本、メジャー最多安打のハミルトン(レンジャーズ)との差は7本。残り26試合。イチローの勢いは止まらない。
(2010年9月5日)