ありきたりなポケモン擬人化小説です。
二次創作は初めてで、しかも文章力の方はがっかりさんなのでそこはご勘弁を。
あとこの作品は僕にとっては息抜き的なものなので不定期になるとおもいます。
よく名は体を表すと言うが俺はそれを否定する。名前だけで人格を否定する奴なんて最悪だ。死んでしまえ。
DQNネームをつけられた人だって、本当はそんな痛々しい名前を付けられたくなかったはずだ。
だって俺がそうだから。
「……テレビだ」
そう目の前にはテレビである。電源がついていないため、真っ黒なブラウン管は鏡のように俺の顔を映しだしている。
赤い帽子をかぶった普通の少年。
当然それは俺の姿であるはず。
「……うん?」
でも違和感を覚える。まるで自分が自分ではないような、そんな違和感。
そしてその漠然とした違和感が確かなものへと変わったときには俺は自身の異変に気がついてしまった。
記憶がない。
何故ここにいるのか何をしようとしていたのか、ということだけではなく、これまで生きてきた自分の記憶さえもない。
わかるのは「あああああ」というふざけた自身の名前だけ。
「……困った」
いや本当に。
――そんなときは私です――
そんな時。どこからか声が聞こえた。
「誰だ!」
周りを見渡しても誰もいない。もしかして俺はおかしくなって幻聴が聞こえはじめたのではないか。
――幻聴ではありませんよ。私はLまたはRボタンを押すと現れるヘルプです。よかったですねこれがGBA版で――
「……は? どういうことだ?」
全く意味が分からない。LとかRとかGBAとかなんだそれは。
――まあとにかくわからないのなら神様とでもしておいてください――
「神……ねえ」
こいつが神であることを信じるわけではないが、まあ俺の常識の範囲外の存在であることには違いない。話を聞くぐらいはいいだろう。
――ともかく私はこの世界の案内役ですよ。で、早速この世界を説明させていただきます。この世界はポケモンという謎な生物が世界中を闊歩しています――
「ポケモン? かわいい名前だな」
――しかしそれは略称です。正式名称をこの国の言葉で直訳すると「男性器」になります――
「は?」
――男性器が世界中を闊歩しているのです――
想像する。
森の中を走り回る男の象徴。空を飛ぶ男の象徴。海を泳ぐ男の象徴。などなど。
「……死のう」
そんな地獄のような世界に用はない。
――冗談ですよ。実際はかわいい女の子です。この世界の動物は人間とポケモンしかいません――
本当に言って良い冗談とそうでない冗談があると思う。
「というか女の子? それって人間だろ」
――インド象を気絶させることのできる電撃を放つことのできる女の子が人間だとあなたは思いますか?――
「……思わないな」
もはやそれは人類じゃない。生物兵器だ。
――そういうわけです。では説明は終わりましたので私はこれで――
「ちょっと待て」
――なんですか?――
「今おまえインド象って言ったよな」
――…………――
「おい! 答えろよ!」
もう返事は帰ってこなかった。
「……はあ」
仕方がない。とにかくこの世界の情報を集めよう。
そう思った俺はまず階段を下って一階へ向かう。
一階には三十代くらいの女性。彼女は俺に声をかけてきた。
「あら、あああああ。隣のオーキド博士が呼んでたわよ」
雰囲気から察するに俺の母親らしい。
「うんわかったよ。……ねえ。一つ聞きたいんだけどいいか?」
「ええいいわよ、どうしたのあああああ」
その名前で呼ばないでくださいお願いしますから。
「俺の名前を付けたのって誰?」
「隣のオーキド博士よ」
「……ありがとう」
とりあえず俺はそのオーキドとかいう奴を探すことにした。
勿論ぶん殴るために。
「いない」
あれから三〇分。
どこを探してもいない。
最初に家を出て、すぐ近くの馬鹿デカいオーキド研究所を訪ねて研究員にオーキドのことを尋ねてみると、
「……うーん、さっきまではいたんだけどなー。どこ行っ
たんだろう。でも君と博士のお孫さんに用があるみたいだったよ」
ということらしい。
次に研究所をでて町を虱潰しに探し回ってみたが、見つからない。実際に歩いて回ってみるとわかるのだが、この町(マサラタウンというらしい)は非常に小さな町なのでまず、隠れることは不可能に近い。
「ということは民家か?」
だが流石に不法侵入をしてまで探すわけにもいかない。
そんな俺にまさに天からの声が。
――町をでて草むらに入ってみてください――
神様もといヘルプ光臨。道行く人から見ると、今の俺は何もないところで驚いた相当変な奴にみえるんだろうな。
「……本当か?」
小声で囁く。
――私を信じてください――
手がかりもないので仕方なく言うことを聞くことにする。五分ほどかけて近くの草むらまで移動する。
「……ここだよな」
――はい――
そして草むらへと向かうと、
「おーい! 待てー! 待つん「ついに見つけたぞこの糞野郎がぁ!」ちょっちょ、あああああやめるん――「その名前で呼ぶなぁ!」ぎゃあああああ!!」
マウントポジションをとり、力の限り鬱憤を晴らす俺だった。
後書き
もしよければ主人公とライバルのポケモンを募集します。
ただし舞台はカントー地方なのでNo.151までです。