大野強殺容疑者、１０万円超所持　逃走中偽名使いホテル転々 （2010年9月6日午前7時02分）

　福井県大野市内のコンビニで発生した強盗殺人事件で、県警の合同捜査本部が同容疑で逮捕した愛媛県今治市生まれ、住所不定、元暴力団員で職業不詳河合英二容疑者（４５）は、逮捕時に１０万円以上の金を持っていたことが５日分かった。９日間の逃走中、同容疑者はホテルに宿泊、移動には特急、タクシーを利用していたにもかかわらず一定の所持金があったことから、県警は逃走資金を手助けした人物がいないか詳しく調べる方針。

　河合容疑者は愛知県岡崎市で逮捕される前、和歌山県御坊市や三重県松阪市のホテルに宿泊していたことが判明した。三重県内では２、３泊していた可能性があり、捜査本部は逃走経路の裏付けを急いでいる。ホテルではすべて異なる偽名を使っていた。

　逮捕時の河合容疑者は、度の入っていないだて眼鏡をかけ、白地に赤色のストライプ柄のシャツ、黒のスラックスを着用。つば付きの帽子を所持していた。タオルを頭に巻き、黒色のジャージー姿だった犯行時とは風体を変え、追跡を逃れようとしたとみられる。凶器や犯行時の衣服はまだ見つかっていない。

　逃走中、岡山県津山市などのパチンコ店に複数回立ち寄っていたとみられる。

　捜査本部によると、河合容疑者は５日午後から始まった取り調べに淡々と応じ「間違いありません」と容疑を認めている。反省をうがかわせる内容の言葉はなく、食事は残さずに食べているという。

　捜査本部は河合容疑者の身柄を６日午後にも福井地検に送り、大野市のコンビニに押し入った動機や犯行前後の足取りなどを詳しく調べる方針。

　河合容疑者の逮捕容疑は８月２７日午前２時５０分ごろ、大野市牛ケ原の「サークルＫ牛ケ原店」に押し入り、店長の山本嘉裕さん（４６）をアイスピックのような先のとがった凶器で１０回程度刺して殺害。事務所の売上金３５万円を奪った疑い。

　河合容疑者は事件後、車やタクシー、列車などを利用し中国、関西、東海を広範囲に逃走。４日午後７時すぎ、ＪＲ岡崎駅近くのビジネスホテルにチェックインしようと訪れたところを、県警捜査員が発見した。