厚生労働省は6日、認可保育所に申し込んでも満員で入れない待機児童が、今年4月1日現在で前年同期より891人増えて2万6275人にのぼり、過去2番目に多かったとする調査結果を発表した。待機児童は過去最多だった03年の2万6383人から07年には1万7926人まで減少したが、経済情勢の悪化で共働き家庭が増えたため08年以降、再び増加に転じ、3年連続の増加となった。
同省は今回初めて、自治体独自の制度による保育施設に入っている児童のうち認可保育所への入所を希望している児童が、全国に1万2812人いると公表した。待機児童とあわせて、認可保育所に希望して入れない児童は3万9087人に上る。
保育所数は前年同期から143カ所増えて2万3068カ所。保育所定員は2万5809人増の215万7890人だった。
待機児童のいる自治体は、前年同期より20少ない357市区町村で、全体の2割にあたる。一方、100人以上の待機児童を抱える自治体は66市区町村で前年より4増加。都市部を中心に一部の自治体に集中している状況がうかがえる。年齢別では0~2歳児が全体の8割を占めた。
待機児童が最も多い市区町村は横浜市で1552人(前年同期比262人増)、次いで川崎市1076人(同363人増)▽札幌市840人(同438人増)▽東京都世田谷区725人(同112人増)▽名古屋市598人(同3人増)--などだった。一方、大阪市は前年同期から403人減って205人となった。【鈴木直】
毎日新聞 2010年9月6日 19時53分(最終更新 9月6日 20時24分)