社民離脱は当然だが、週明けのマーケットが気になる
社民党の福島瑞穂党首は３０日夕、日本テレビの番組に出演し、鳩山政権に対する今後のスタンスについて「野党になります」と明言した。 私はこの記事を
「野党になりすまし」福島党首が迷言と、誤読してしまった。
３０日社民党は連立政権からの離脱を決定した。そもそも、社民党は与党となってはいけない党なのだ。なりすまし野党となるより、社民党・旧社会党の人間は無責任な野党がお似合いなので、鳩山が未練がましいことを言っているが、ここはスパッと野党になりきってもらいたいところだ。
米軍普天間飛行場の移設問題に関する政府の対処方針への署名を少子化担当大臣の福島瑞穂が拒否するのは当然だ。政権の続投を決めた鳩山と違い、筋が通っている。この点は珍しく小沢一郎と私の意見が一致した。だが、小沢はそんなことを言って大丈夫なのか、それとも鳩山切に動き出したかはまだ判断できない。
福島氏は３０日午前のテレビ朝日の番組で、罷免直前の２８日午後に、民主党の小沢一郎幹事長から「あなたは筋が通っている」と、電話で言われたことを明らかにした。 普天間飛行場の移設問題で、沖縄県の辺野古を移設先とする政府の対処方針は、沖縄の普天間問題に多少関心があった人間からすれば、当然の帰結だ。
社民党の福島党首が政府方針への署名を拒否し、閣僚を罷免されたが、 罷免後も鳩山は、社民党に対して「協力をお願いしたい」と連立維持を繰り返し要請してきという。鳩山は女に振られて、「友達でいてね」と泣き縋る女々しい男にしか見えない。きっとその昔、幸夫人にも泣きついたのだろう・・・
心配なのは、こうした日本の政治の混乱に対して外人などが、政治空白を嫌気し一段と「日本売り」を加速するかもしれないことである。「株式・為替市場を中心に適切な政策対応が実施されないのではないか」、との不安を与えるからだ。もっとも、口蹄疫問題をはじめとして、民主党政権になって以降ずっと政治的空白だと言っても過言ではない。
３１日発表予定の４月鉱工業生産で公表される生産水準は、好調を維持している公算が高く、投資家の実感とかけ離れてはいるが実体経済は投資家の実感と違いに強い。
だが、今後欧州発の市場動揺が拡大・長期化し、企業の欧州向け輸出の減少や、ユーロ安／円高から対ドルでの円高に連鎖して、企業業績が圧迫される経路で、実体経済が悪化する恐れに加え、一段と政局が混迷するとなると、実体経済もこのまま堅調な推移をするとは思えない。
アジア向け輸出が好調でも、上海の不動産バブルは弾けだし、インドをはじめ新興国で金利が上昇し始め、４月については、アジアを中心にした新興国向け輸出などの増加でカバーできると強気にみているエコノミストが多く、白川日銀総裁も強気派の見方に近いようだが、アジアは好調と安穏とはしていられないと私は思う。
そんな中でフィッチのスペインが格付けが下がった。債務に起因する破たんの懸念が世界的に高まっているため、今回の格下げにより、このところ不安定になっている株式市場は世界的に不安定さを増すだろう。ユーロも先週末ユーロ／円EURJPY=RはＥＢＳで、０．９％下落し１１１．５６円。一時１１１．３５円まで下落した。
だが、それでもムーディーズやS&Pの格付けでは日本の方が下である。どうしても納得ができない。
OECDが26 日に発表した経済見通しによれば、2010・11 年のGDP は米国が3.2%、
3.2%、ユーロ圏が1.2%、1.9%であり、両者の格差はまだ大きいが、ユーロ安で輸出競争力を回復すれば、実際にはもっと縮小する可能性がある。オーストリア中銀総裁が言うように、ユーロ安（ドル高）を容認できなくなるとしたら、ユーロ圏よりむしろ輸出で競合関係にある米国や日本の方が先かもしれない。 いくらファンダメンタルで経済が好調といわれても、鳩山政権のドタバタを見ていると、日本株に強気になれないのは、私ばかりではないであろう。
5/31 ２１：００追記
4月鉱工業生産速報は予測に届かず増勢鈍化見通し［東京 ３１日 ロイター］ 経済産業省が３１日発表した４月鉱工業生産指数速報（２００５年＝１００、季節調整済み）は前月１．３％上昇の９６．０となり、２カ月連続の上昇となった。 結局週明けの日経平均は ９７６８．７０円（５．７２円高） で終った。予想を下回った４月鉱工業生産速報、であったが、スペイン格下げ、ユーロ急落、社民が与党から離脱し、鳩山内閣の支持率が20％を割り、自民と民主の支持率が逆転しても、マーケットは織り込み済みというところだろうか。 現在の東京市場は、中長期の上昇トレンドに注意信号が点灯したと、思われるが、短期的な下げの警戒（日経平均の25 日移動平均カイリ▲１０％強）から、その反動が勢いがあるか見定めているところだろう。
日経平均が52週線が5/31 １０２５０円の水準にあり、２００日平均移動線も１０３６０円（下向きとなった）の水準を回復すればトレンド回復と言えるが、６月中旬までに戻らなければ、上昇トレンドへの復帰は完全に赤信号である。短期調整で戻らなければ、最低でも３ヶ月の調整は覚悟しなければならない。
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