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第79回全国高校野球選手権大会 Yahoo! スポーツ
コラム

室戸旋風を支える苦労人(1/2)
第79回センバツリポート Vol.7

2007年03月29日
(田尻賢誉)

初出場の室戸高が報徳学園高、宇部商高と甲子園常連校を破り、準々決勝に進出した
初出場の室戸高が報徳学園高、宇部商高と甲子園常連校を破り、準々決勝に進出した【 スポーツナビ 】

中学は試合の出番がほとんどない選手

「お前じゃ無理。通用しないよ」
 この言葉を何度言われたかわからない。それが今、甲子園のグランドに立っている。それも、背番号4をつけたレギュラー選手として。
「あのころからちょっとは成長できたと思いますけど……。甲子園ですか? 今でも実感がないです」
 164センチ、56キロの小柄な身体で室戸高の二塁手を務める松本歩は、そう言って、はにかんだ。

 松本の言うあのころ――。それは3年前にさかのぼる。神奈川・横浜東金沢シニアに所属した松本は、ただの控え選手にすぎなかった。試合での出番はほとんどなく、ダブルヘッダーで行う練習試合の2試合目の終盤に守備で出るぐらい。ほとんど安打を放った記憶もない。
「打席に入っても1打席だけ。相手を研究する前に終わってましたね(笑)」
 レギュラーには、今大会に日大藤沢高の「5番・捕手」として出場した川辺健司と、「3番・二塁手」として出場した三枝木康平がいたが、ほとんど別世界の人間だった。
「入ったときからガタイは違うし、スイングも肩の強さも違いました」
 三枝木が松本のことを「中学のときは大した選手じゃなかったです」と評したことを聞いても、素直に認めてしまうほどだった。


高校での3年間はしっかり野球をやりたかった

 実力も、自信もない。高校野球で通用するとは思わなかった。それでも、野球は続けたい。高校進学について考え出した。全国優勝経験を持つ横浜高、東海大相模高、桐蔭学園高など強豪がひしめく神奈川県の私立校のレベルは高い。部員も多く、自分が入ったとしても、スタンド応援で終わるのは目に見えている。レギュラー組と別メニューで、ろくに野球ができないで終わるのがオチだろう。それは避けたかった。だが、そうはいっても、神奈川県の県立では甲子園に出るのはまず不可能。野球部員がそろわない学校もあれば、野球部とは名ばかりでダラダラと練習をしている学校もある。
「3年間、しっかり野球をやって終わりたいと思っていました」
 中途半端にやる気もさらさらなかった。

 そんなことを考えていた中学2年のとき、同じく野球をやっていた1つ上の兄・翔の室戸高見学に一緒に行くことになった。父・徳彰は高知・伊野商高の野球部出身。当時伊野商高コーチだった室戸高・横川恒雄監督の教え子一期生という縁があった。
 初めて見た室戸高の練習の印象は忘れられない。
「練習する姿勢から、公立なのに野球に力を入れているのが伝わってきました。本気で私立に勝つことや、甲子園を狙っているんだなと」
 室戸高に進学するのに、迷いはなかった。

<続く>

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