【コラム】韓国の「シャーマニズム信仰」(上)

 行動科学分野の世界的権威である米国イリノイ大のエド・ディーナー教授は最近、ソウルで行われた学術大会に出席し、「韓国人はあまりにも物質中心的なため、幸福度が低い」と語った。ディーナー教授は、130カ国・地域の13万人余りを対象として、幸福に関する世論調査を実施したが、その結果、韓国人の幸福度は5.3ポイントで、対象国の平均値5.5よりやや低かった。とりわけ「物質的価値の重要性」を問う調査で韓国は7.24を記録し、米国の5.45、日本の6.01より高い数値となった。世界第15位の経済規模を持つ韓国が、最貧国ジンバブエ(5.77)よりも物質に執着する傾向を示した。ディーナー教授は、「韓国社会がこのまま進めば、経済的にもっと豊かになっても、幸福度は高まらないだろう」と警告した。

 人間なら誰でも物欲を持つものだが、なぜ韓国人はこれほど物質中心主義的なのか。韓国社会の「物神」崇拝について、これまで数人の学者が、急速な経済成長の後遺症だと診断している。ところが社会学者のチョン・スボク氏は、著書『韓国人の文化的文法』で、韓国人の物質主義の陰には「巫(ふ)教(シャーマニズム)」があると語った。韓国の巫教には、キリスト教における永遠や仏教における解脱のような、形而上学的な価値がない。この世が終わったら別の超越世界での暮らしはない、という「現世主義」が、巫教の原理だ。現世で厄(やく)を払い福を受けることを最高の価値と見なし、「人間の官能的欲求と物質的欲望をあるがまま認める」というわけだ。外国企業も韓国で開業する際には、「告祀(し)」の儀式でブタの頭を供えてその口に紙幣をくわえさせ、お辞儀をするものだ。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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