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遼くん“同窓PO”制し初の連覇!賞金ランク首位浮上
プレーオフ4ホール目、薗田(右)を破って優勝し握手をかわす石川遼
Photo By スポニチ |
男子ゴルフツアーのフジサンケイ・クラシック最終日は5日、山梨・富士桜カントリー倶楽部(7405ヤード、パー71)で行われ、石川遼(18=パナソニック)が歴史に残る死闘を制して自身初の連覇を達成した。単独首位からスタートした石川は、高校の2年先輩でもある薗田峻輔(20=フリー)に一時は逆転を許したが、1打差で迎えた最終ホールで執念のバーディーを奪取。通算9アンダーで並んでプレーオフに突入すると、互いに譲らぬ激闘を4ホール目で制し、今季2勝目、ツアー通算8勝目を挙げた。89、90年大会を制した尾崎将司以来20年ぶりとなる大会連覇で、賞金ランクでも首位に浮上した。
4ホール、1時間に及んだプレーオフは、薗田の1メートルのパーパットがカップに蹴られて決着した。ギャラリーからは一瞬のため息の後、両者への惜しみない拍手がわき起こる。だが勝利の瞬間、石川に笑顔はなかった。
「先輩が外すことは考えてなくて、次(5ホール目)に行く準備ができていた。そう思いこんでいた分、衝撃が大きかった。外れた瞬間は複雑なものがあり、どう思っていいか分からなかった」
薗田に歩み寄られて、握手、ハグを交わしても表情は硬かった。小4で初めて会った時からあこがれ続け、高校も同じだった先輩と、ともに夢に描いていたプロの舞台での一騎打ち。「心も体もぎりぎりの状態だったけど、いつまでも続いてほしい、いつまでもできる、いつまでもやっていたいプレーオフだった」。優勝という結果よりも、ともに死力を尽くして戦えたことの充実感の方が強かった。
連覇を目指して3打差の単独首位で迎えた最終日。苦手のアウトで足踏みするうちに1組前でプレーする薗田にかわされた。得意のインに入ると10番のバーディーに続き、11番ではチップインで連続バーディー。流れをつかんだかに見えたが、思うようにスコアを伸ばせなかった。薗田と2打差で迎えた17番パー5もバーディーを逃し万事休すと思われたが、薗田が最終ホールをボギーとして1打差に再接近。18番でバーディーなら追いつけるラストチャンスが転がり込んだ。
第1打を左のバンカーに入れ、残り176ヤードで石川が握ったクラブは8番アイアン。しびれる緊張感の中で放った執念のショットは、右手前1・2メートルにピタリ。うなる歓声とこん身のガッツポーズ。「きょう一番震えた一打」というバーディーパットも沈めて土壇場で追いついた。
プレーオフに入っても互いに一歩も引かず、3ホール目ではほぼ同じ距離のパットが同じようにカップに蹴られる場面もあった。「ジュニア時代を含めて2人でこうやってプレーしたことはない。すべての視線が僕と先輩のショットに注がれていた夢のような時間。プロになって夢がかなってうれしかったし、勝った負けたより凄くいいものを学べた」。石川だけでなく、見守ったすべての人が息詰まる2人の戦いに酔いしれた。
この優勝で賞金ランクトップに浮上し、石川は2年連続賞金王に向けて歩み出す。同5位の薗田にもまだまだチャンスはある。石川がずば抜けていた若手は、池田勇太に続いて薗田も台頭し、ツアーの中核を担う世代に成長。富士山の麓に刻まれた2人の激闘こそが、AONに続く新時代の到来を告げるマイルストーン(節目)となった。
≪恩師も驚き「まさかだね」≫大会前の火曜日(8月31日)には会場を訪れて「優勝争いしろよ」と2人を激励。2日目終了後に2人が2位で並んだ時には「やるなあ。ジュニアのみんなと応援してるぞ」とあらためてメールを送り、石川からは「同窓対決頑張ります」、薗田からも「頑張ります」と返信があった。この日はネットで経過をチェックしていたが「まさかだね。凄い試合だ」とただただ驚くばかりだった。
杉並学院で石川と薗田の間の学年だった桜井勝之(明大2年)も2人の激闘をテレビで見守った。桜井は先週、大学生のビッグタイトルである日本学生選手権で初優勝したばかり。石川も薗田も桜井の活躍に大いに刺激を受け、優勝へのモチベーションにしていた。今後、日本オープンなどツアー3試合に出場予定の桜井は「3人で最終日最終組で回れるように頑張りたいです」と興奮の面持ちだった。
【最終R成績】
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