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【大リーグ】イチローが”貝”になった!? 200安打へ一歩前進も「…」無反応2010年9月5日 紙面から
【シアトル秋野未知】200安打のことは触れてくれるな!? マリナーズ・イチロー外野手(36)が3日(日本時間4日)、当地のインディアンス戦に「1番右翼」で先発出場。1回に遊撃内野安打を放ち、チームの“スミ1”勝ちに貢献した。これで10年連続200安打へ向け、残り26安打と一歩前進。ただ試合後、報道陣が200安打へ向けて問いかけても一切無反応…。10年間で2番目に遅いペースに重圧を感じているのか、イチローがピリピリムードを漂わせた。 10年連続200安打の偉業達成へ向け計り知れない重圧を感じているのか、それとも周囲の雑音を意図的に封じているのか。試合後、ロッカールームで報道陣からヒット数の話題を振られても、イチローは全く反応せずやり過ごした。 「……」。決して口を開くことなく、淡々と着替えを済ませて球場を後に。偉業達成へカウントダウンに入り、さすがのイチローもナーバスになっているのだろう。一昨日のエンゼルス戦では、200安打に関して「聞かれたくない」と質問を一蹴。ただ、報道陣を無視しているわけではない。この日も第1打席に遊撃内野安打で出塁し、フィギンズの四球で二進。グティエレスの中前打で唯一のホームを踏んだプレーに「抜ける瞬間は見えないですからね。落ちたところも見ていないです」と試合内容に関してはコメントを残している。 「200安打」が今のイチローにとってNGワードなのか、ここ数日で突如としてこの話題に関してのみ“貝”になったのは確かだ。いずれにせよ、5戦連続安打で10年連続200安打へ残り27試合で26安打と着実に前進した。チームも初回のイチローのヒットを足がかりにした虎の子の1点を守りきっての“スミ1”勝利。ブラウン監督代行は「投手陣が良かった。初回の1点で逃げ切れたんだから」と満面の笑みを浮かべた。 ここ数年、低迷するチームにあって地元ファンの唯一といっていい楽しみが、イチローの200安打達成。今季も誰もが偉業達成を待ち望んでいるのは間違いない。そんな周囲の喧騒(けんそう)を肌で感じながら、背番号「51」が黙々とバットを振り続けていく。
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