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大野コンビニ強殺、大野署に移送 逮捕の元組員前向き表情変えず
(2010年9月5日午前7時14分)
愛知県岡崎市内で逮捕され、福井県警大野署に移送される河合容疑者=4日午後10時45分ごろ、同署
8月27日未明、福井県大野市牛ケ原のコンビニ「サークルK牛ケ原店」で発生した強盗殺人事件で大野、福井両署と県警捜査1課、機動捜査隊の合同捜査本部は4日、強盗殺人の疑いで指名手配していた愛媛県今治市生まれ、住所不定、元暴力団員で職業不詳河合(かわあい)英二容疑者(45)を逃走先の愛知県岡崎市内で逮捕した。
逮捕容疑は8月27日午前2時50分ごろ、金品を奪おうと同店を訪れ、1人でいた店長山本嘉裕さん(46)=大野市牛ケ原=を、アイスピックのような先のとがった凶器で10回程度刺して殺害。事務所にあった売上金約35万円を奪った疑い。
捜査本部によると、同容疑者は「間違いありません」と供述、容疑を認めている。凶器や犯行時に着ていた衣服は見つかっていない。
捜査本部は4日夕、市民からの情報提供を受け、岡崎市内のビジネスホテルで河合容疑者を待ちかまえた。同日午後7時過ぎ、同容疑者がホテルを訪れてチェックインする前、捜査員が職務質問。近くの岡崎署に任意同行し、同17分通常逮捕した。同容疑者はおとなしく従っていたという。
河合容疑者は事件後、白いセダンで鳥取市まで逃走。同市で車を乗り捨てた後は、鉄道やタクシーなどを乗り継いで愛知県に入ったとみられる。9日間にわたり、関西、中国、東海地方と広域に移動を繰り返していた。
捜査本部は、コンビニの防犯カメラに映っていた映像や目撃情報から、犯行に使われたとみられる車種を絞り込み、香川ナンバーの白いセダンを特定した。裏付け捜査を進めた結果、車を所有していた河合容疑者の容疑が強まり、30日に逮捕状を取って行方を追っていた。
捜査本部は同日午後10時45分、河合容疑者の身柄を大野署に移送。同店を狙った動機や犯行前後の足取り、凶器など遺留品の捜索などを行って容疑を裏付ける方針。
捜査関係者によると、河合容疑者は今年春ごろまで、高松市に拠点のある暴力団の構成員だった。しかし、金銭関係のトラブルがあり脱会したという。
強盗殺人罪で起訴された場合、裁判員裁判の対象事件となる。
河合容疑者、前向き表情変えず
9日間にわたる逃亡の末に逮捕され、捜査本部のある大野署に移送された河合容疑者は、県警が公開した防犯ビデオの画像より、ほっそりして見えた。
4日午後10時45分、ワゴン車が大野署の駐車場に滑り込み、後部座席の中央に座った河合容疑者が、捜査員に促されてゆっくりと報道陣の前に姿を現した。
手錠をかけられた手首だけを隠した河合容疑者は、こぎれいな白地に赤色のストライプ柄のシャツ、黒のスラックス姿。捜査員に両脇と後ろを囲まれて、うつむくことなく前を向いて駐車場を歩いた。報道陣のライトやフラッシュに一瞬、驚いたように見えたが、ほとんど表情を変えることなく大野署の裏口に消えた。