東京大学医科学研究所(東京都港区)の研究棟外壁の強化ガラスが自然破損したのは設計・施工の欠陥が原因だとして、東大が日本設計、大林組、セントラル硝子の3社に賠償を求めて東京地裁に提訴したことが分かった。破損したのは1枚(縦1・7メートル、横2・15メートル、厚さ1・5センチ)だが「再発防止などのために外装全体の改修が必要になった」として、約1億3800万円を求めている。
訴えによると、事故は07年10月。最上階の8階部分の外壁に設置されたガラスが含有していた不純物の膨張で自然破損し、約35メートル下の敷地内に落下した。けが人はいなかった。
東大側は「強化ガラスは自然破損の危険性が問題視されていた」としたうえで、設計した日本設計や施工した大林組に「専門家として払うべき注意義務を怠った過失がある」と主張。セントラル硝子も「不適切と考えずに漫然と注文に応じた」としている。【和田武士】
毎日新聞 2010年9月4日 東京朝刊