民主党:代表選の日程決められず…小沢氏動向はかりかね

2010年7月20日 21時38分 更新:7月21日 11時58分

 9月に予定される民主党代表選の日程調整が遅れている。菅直人首相は20日の常任幹事会で参院選大敗の総括のための両院議員総会開催を要請、敗戦処理を早急に終えて代表選への道筋を付けたい考えだが、首相側が希望する9月5日の日程はこの日の役員会・常幹では決まらず、求心力の低下で主導権もままならない状況にある。【念佛明奈】

 「いろんな議論をしてもらったうえで、両院議員総会で私自身の気持ちを話したい」。菅首相は常幹で表明した。参院選の敗戦ムードを断ち切り、政権運営で「攻め」に打って出たい狙いがにじむ。

 しかし、常幹では代表選のための中央選挙管理委員会の発足を了承したが、枝野幸男幹事長は日程について記者会見で「相談をしたり判断をしたりという段階に、まだまったくなっていない」と述べるにとどまった。

 鳩山由紀夫前代表を引き継いだ菅代表の任期は9月末までで、代表選はその30日前以降に実施される。今回の代表選日程は秋の臨時国会の召集日や会期にも影響する。9月5日の場合、内閣改造・党役員人事を経て、翌週の13日に召集する案が有力。「ねじれ国会」を受け、可能な限り会期を確保する狙いだ。一方、1週間遅らせて12日とした場合、9月下旬のニューヨークでの国連総会に首相が出席すると、召集がずれ込む可能性がある。

 日程が固まらないのは菅氏への対抗馬を擁立する可能性がある小沢一郎前幹事長の動向をはかりかねているためだ。7月中に予定された小沢氏に対する検察審査会の判断は秋に先送りされるとの観測がある。「起訴議決」となるかどうかが焦点で、複雑な思惑がからむ。党執行部はぎりぎりまで情勢を見極める構えだ。

 一方で、小沢氏側も明確な動きを見せていない。小沢氏のグループは独自候補擁立を模索し、原口一博総務相や、海江田万里衆院議員らの名があがる。小沢氏自身の出馬を求める声もあるが、まだ大勢は固まっていない。

 今回の代表選は、8年ぶりに党員や、党員ではないが投票資格を有するサポーターが投票に参加する。9月5日の投開票の場合、告示は2週間前の8月22日。国会議員1人2ポイント、地方議員に計100ポイント。党員・サポーターには計300ポイントが配分される。党員・サポーター票は国会議員150人分の比重があり、勝敗への影響は大きい。今年5月末に締め切られた党員・サポーターの登録数は約35万人だが、小沢グループの衆院議員は「党員・サポーター集めの熱心さが小沢グループの特徴だ」と自信を見せている。

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