2010年7月20日 11時1分
【ワシントン斉藤信宏】09年のエネルギー消費量で中国が米国を抜き、世界最大になったことが、国際エネルギー機関(IEA)のまとめた最新のデータで明らかになった。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が19日、伝えた。
同紙によると、石油に換算した09年の中国のエネルギー消費量は22億5200万トンと、21億7000万トンだった米国を約4%上回った。米国は20世紀初頭から約100年にわたり占めていた世界最大のエネルギー消費国の座を譲った。
同紙は「09年の米中間のエネルギー消費量の逆転は、08年秋のリーマン・ショック以降の世界的な経済危機の影響が、中国よりも米国で深刻だったことを反映している」と分析。また、10年前の中国のエネルギー消費量が米国の半分程度にとどまっていたことから、今回の逆転劇で、最近の中国の急成長ぶりが改めて印象づけられた。ただ、1人当たりで見ると、依然として米国が中国の5倍を消費している。
IEAの石油換算エネルギーには、原油や原子力発電のほか、石炭、天然ガス、水力発電なども含まれている。