メキシコ湾油田:原油流出止まる…破損パイプ交換

2010年7月16日 11時22分 更新:7月16日 12時22分

原油流出阻止作業のイメージ図
原油流出阻止作業のイメージ図

 【ロサンゼルス吉富裕倫】米メキシコ湾沖の海底油田事故で、石油メジャーの英BPは15日、油井からの原油流出が止まったと発表した。4月20日の事故以来約3カ月続いた流出が止まったのは初めて。新しく流出個所に取り付けた吸い上げ口の弁を閉じる整合試験を行っており、噴出圧力などを監視して流出を止め続けられるかどうか判断する。

 これまでに流出した原油の量は、東京ドームの容積の半分強にあたる最大438万バレルとみられている。

 原油は、噴出防止装置の破損したパイプから流出。BPは、このパイプにチューブ付きのふたをかぶせて原油を吸い上げていた。しかし、これでも、すき間から原油が漏れ出ていたことから、破損パイプを外し新しい吸い上げ口としてすき間のできない遮断弁付きのパイプに交換した。

 今回は、事故後に噴出防止装置に取り付けられて原油を吸い上げてきた2本のチューブの弁と、交換したパイプの遮断弁を順次閉じて油井からの原油流出を止めた。6時間おきに噴出圧力を監視し、原油が漏出しないかどうか最長48時間試験を続ける。整合試験で原油の遮断が危険と判断されれば、弁を開放して原油を海上に吸い上げることになる。2カ所で掘り進めている予備油井から泥とセメントを注入して油井を封印する最終解決策に変更はない。

 オバマ大統領は「前向きの兆候だ」と歓迎のコメントを出した。

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