IMF:日本の財政不安指摘、消費税増税勧める 報告書で

2010年7月15日 11時22分

 【ワシントン斉藤信宏】国際通貨基金(IMF)は14日、日本に関する年次審査報告書を発表し、「欧州での財政危機の深刻化で日本の財政に対する不安が高まっている」と指摘した。そのうえで、11年度からの財政再建の開始を求め、現在5%の消費税を今後10年で15%まで引き上げることを例示した。国内の税制論議に影響を与える可能性もありそうだ。

 IMFは中期的な課題として、消費税の増税と社会保障費を除く歳出削減、社会保障制度改革に言及。「景気回復への道筋を確かなものとした上で、公的債務残高を持続可能な水準に引き下げる必要がある」と強調した。国内総生産(GDP)に対する公的債務の比率を安定的に引き下げるため、基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化目標を設定することも重要になると指摘。財政健全化に向けた着実な政策実現を求めた。

 また、財政健全化に向けて「景気減速やデフレに対処するための一層の金融緩和策が求められる可能性がある」と日銀の金融政策にも注文をつけた。

 一方、日本経済の現状については「アジアの旺盛な需要に支えられて輸出が好調なことに加えて、政府の支援策による下支えもあり、力強さを増している」とし、今後も緩やかに回復を続けるとの見通しを示した。

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