2010年7月14日 10時42分 更新:7月14日 10時54分
【ワシントン斉藤信宏】米財務省は13日、6月の財政収支が684億2200万ドル(約6兆680億円)の赤字となり、リーマン・ショック直後の08年10月以来、21カ月連続の財政赤字を記録したと発表した。10会計年度(09年10月~10年9月)に入ってからの累積赤字は9カ月間で1兆40億2800万ドルまで膨らみ、過去最大の赤字となった09年度に続き、2年連続で1兆ドルを突破した。前年同期比では7.6%減とやや赤字幅は縮小したが、依然として景気対策や軍事費が米国の財政を圧迫する構図が続いている。
米財務省によると、6月の歳出は前年同月比3.2%増の3194億7000万ドル、歳入は景気回復傾向を反映した法人税収の増加などで同16.6%増の2510億4800万ドルだった。2年連続で財政赤字が1兆ドル超となったことで、欧州に続き米国でも、財政危機に対する懸念が台頭する可能性もある。
米の財政赤字はアフガニスタンやイラクでの戦争長期化で膨張傾向にあったが、過去最大の赤字となった08年度でも年間4585億ドルと1兆ドルには遠く及ばない水準だった。ところが金融危機の深刻化に伴い、09年度から急増。オバマ政権は今年2月に発表した予算教書の中で、11年度まで3年連続で財政赤字が1兆ドルを超えると予想していた。