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「関西の名物キャスター」辛坊さんはどこへゆく

月刊FACTA 9月1日(水)11時41分配信

関西の名物テレビキャスターが9月末で会社を辞めることがわかり、地元政界に波紋が広がっている。読売テレビ(日本テレビ系列)を退社する辛坊治郎報道局解説委員長(54)のことだ。地元政界が注目するのは、辛坊氏が橋下徹大阪府知事と番組を通じて極めて昵懇だから。橋下知事は、ローカル新党「大阪維新の会」を立ち上げ、大阪府と大阪市を統合する「大阪都構想」を唱え、自民、民主両党などから府議や市議を次々と引き抜いている。さらに、「大阪都構想」に反対する大阪市の平松邦夫市長を「敵」と定めて、両者の対立は日増しに激化している。

橋下氏は府知事を辞し、来年11月の大阪市長選に平松市長の対抗馬として出馬。その際、府知事選と市長選を同日選にするとの憶測が流れている。知事選は再来年の2月に行われる予定だが、数カ月繰り上げて同日選にすれば、選挙費用が約20億円節約できるうえ、府・市の統合の是非を問いやすくなる。橋下氏が市長選に出馬する場合、府知事の後継に誰を擁立するかが注目される。その候補に橋下知事と親しく、知名度抜群の辛坊氏が浮上しているのだ。辛坊氏は退社してもキャスター出演は続ける意向だが、出馬に関しては番組内で「5億パーセントない」と否定した。が、橋下知事も出馬表明前に「2万パーセントない」とウソをついただけに、地元政界で真に受ける者はない。

この時期に退社する理由について辛坊氏は「9月末までに辞めないと年金と退職金が減額されるんです」と説明するが、テレビ局内でも特別待遇の辛坊氏は「著書の印税収入や講演料などで年間数千万円を稼いでいる」(在阪民放関係者)とされ、老後資金に懸念があるとは思えない。あるマスコミ関係者は「平松市長を見て『オレならもっとできる』と思ったはず。出馬意欲は強い」と言う。平松市長も在阪民放の毎日放送(TBS系列)の元報道キャスター。辛坊氏が対抗心を燃やすのも不思議でない。自民党OBは「本当に辛坊氏が出馬するならタレント弁護士と田舎キャスターのオンパレード。大阪の凋落を示すようや」と嘆く。

(月刊『FACTA』2010年9月号、8月20日発行)

最終更新:9月1日(水)11時41分

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