東京中日スポーツ 55周年企画
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【コラム 撃戦記】幻の“山梨出身初”世界王者2010年8月27日 ボクシングのWBC世界スーパーフライ級1位河野公平(29)=ワタナベ=が同級2位トマス・ロハス(30)=メキシコ=と争う王座決定戦が9月20日、さいたまコミュニティアリーナで行われる。河野は本籍地は山梨県中巨摩郡だが、東京生まれ。だから、王座を奪取しても山梨から初の世界王者と言えないのがもどかしい。というのは、私も出身地が山梨県で、同郷の世界王者誕生を楽しみにしているからだ。 取材生活30年の中で世界を期待した同郷の選手が何人かいたが、残念ながら“夢”の実現には至っていない。全日本新人王や日本タイトルマッチの結果に一喜一憂。東洋太平洋の上位ランク入りに期待を膨らませもしたが、世界の壁は厚かった。 もっとも、世界王者輩出県は沖縄県の6人をのぞけば東京都や大阪府、北海道などの大都市が多い。世界王者は1952年5月に日本で初めて誕生した世界フライ級王者白井義男氏(故人)から数えて63人。輩出ゼロ県は珍しくない。だが、夢は今でも「山梨から初の世界王者誕生!」の見出しが躍る紙面だ。2度目の世界戦で王座奪取の可能性が高い河野。現住所が東京都目黒区なのが恨めしいよ。 (格闘技評論家)
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