◆楽天7−6西武
指揮を執ったブラウン監督も「私も含め、だれにも予想できなかっただろうね」という大逆転。楽天が9回に5点差をひっくり返し、今季5度目のサヨナラ勝ち。ミラクルを呼んだのは41歳の主砲山崎。しかもバットではなく激走だ。無死二、三塁、涌井の外角スライダーを二遊間に転がすと全力疾走で内野安打に。まず、1点を返した。
「昔から走るのはあんまり自信がないけど、必死にももを上げて走ったよ。本塁打は打たんかったが、足で貢献したな」。続く中村紀が右中間安打を放つと、山崎は二塁をけって果敢に三塁へ。5連打を含む8安打の猛攻につなげた。
ベテランが健脚を発揮したのは計3度。2回には右中間へやや浅めの打球を放ち、懸命に二塁に滑り込んだ。ブラウン監督も「聖沢の足にはかなわないが、チームに勇気を与えてくれた。みんな、彼の背中を見てプレーしているからね」とほめることしきり。
この日は3歳上の中日・山本昌が史上最年長で完封勝利。朗報を聞いた山崎は「すごいよ。何てったってプラス思考の人だからね。7、8月まで2軍にいたら、普通の選手は切れちゃうもん」。その上で「オレも励みになっている。あのオッサンよりも早くやめられんわな」ときっぱり。こっちのオッサンもまだまだ、バリバリだ。 (鶴田真也)
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