パルチザン追悼行事に出席した教師、2審でも無罪に(下)
■検察「キム被告の行為は憲法の価値観に反する」
法曹関係者の間からは、「自ら判断を下すことができない中学生に対し、かつて国家の転覆を目指していた勢力を美化させるのは常識に反するだけでなく、反教育的だ。この点を裁判所は見落としている」といった批判が相次いでいる。
ある検察関係者は、「(判決は)キム被告のような行為が幅広く行われても問題ないとしている。これは憲法の価値観に反するのではないか」と批判した。別の法曹関係者は、「実力行使を行わない場合でも、害悪をもたらすことは当然あり得る。キム被告の行為は社会に悪影響を及ぼさないとする考え方には、裁判長の人生観が反映されている」と指摘した。
ただしキム裁判長は、2002年の北朝鮮の新年共同社説をキム被告が書き写したノートについては、1審を破棄して利敵表現物だと判断した。この新年共同社説は、主体思想に基づいて金日成(キム・イルソン)・金正日(キム・ジョンイル)親子をたたえるという内容だった。1審を担当したチン・ヒョンミン裁判長(現・議政府地裁所属)は、このノートも利敵表現物ではないと見なした。
キム裁判長はこのノートを利敵表現物だと認めつつも、「国家の転覆を扇動するような目的があったとは認めがたい」として、最終的には1審同様、被告に無罪の判決を言い渡した。検察はこのノートに対する解釈についても、「目的もなく、利敵表現物を所持したり配布することなどあり得ない。また反国家団体に同調したという事実も、より大きな観点からその罪状を判断すべきだ」と反発している。
ちなみに仁川地裁は、かつてパルチザン追悼行事に参加し、その内容を紀行文の形で配布したキム被告に対し、1審と2審の双方で有罪を宣告した。現在この事件は大法院(最高裁判所)で審議が行われている。今回のキム被告による行為の違法性についても、最終的には大法院が判断を下すことになりそうだ。
金昌坤(キム・チャンゴン)記者
孫振碩(ソン・ジンソク)記者