パルチザン追悼行事に出席した教師、2審でも無罪に(上)
裁判長「自由民主主義の秩序に害悪を及ぼすほどの危険性はない」
検察「反国家団体を美化する反教育的行為」
2005年に教え子たちを連れてパルチザン追悼行事に参加し、複数の利敵表現物を配布した容疑(国家保安法違反)で起訴された教師に対し、1審に続き、2審の控訴審でも無罪が言い渡された。起訴されていたのは、当時全羅北道任実郡の中学校で教師をしていたキム被告(50)。検察は今回の判決について、「幼い生徒たちを集めてパルチザンをたたえた行為を処罰できないのは、到底納得できない」と反発し、直ちに上告すると明らかにした。
■裁判長「国家に対して実質的な害は及ぼしていない」
全州地裁刑事1部のキム・ビョンス裁判長は3日、キム被告に対して無罪を言い渡した理由について、「パルチザン関連行事に出席した被告の行為がこの社会で容認され難いのは事実だが、出席したという事実だけで、国家の存立や安全、自由民主主義の基本秩序に害を及ぼすという明確な危険性は認められない」と説明した。
キム裁判長はさらに、「キム被告が反国家団体である北朝鮮の主張を擁護する配布物を所持していた事実は認められるが、その利敵行為の目的ははっきりしていない」とも述べた。
裁判長はパルチザン追悼行事で繰り広げられた事実関係については、検察が主張する内容をほぼ認めた。キム被告は行事で、パルチサンをたたえる手紙を教え子たちに読み上げさせ、また出席者の間から、「われわれの敵は米国だ。米帝国主義をこの地から追いだそう」という声が上がると、生徒たちに拍手をしたり歓声を上げるよう指示した。中学校の道徳教師だったキム被告は、全国教職員労働組合(全教組)全北支部統一委員長、全北統一教師グループの事務局長などを務めていた。
裁判長はこれらのキム被告による行為について、「反国家団体などの活動を支持し、それに加勢する意思を外部にも積極的に表明するほどのものとは言えない」と判断した。
今年2月の1審でも、裁判長は「自由民主主義の秩序を脅かす危険性はなく、キム被告がその害悪の性質について認識していたと認めるのも難しい」として、無罪を言い渡していた。