北朝鮮産の農水産物が再び韓国へ

マツタケ4トン、貝類の一部が搬入

5・24措置前に代金が支払われた分

 哨戒艦「天安」沈没事件で南北の交流や交易が全面的に中断されてから4カ月ぶりに、北朝鮮産のマツタケが江原道の束草港を通じて韓国に持ち込まれた。

 3日午後、束草港には中国船籍・正昌号が停泊し、甲板では船員たちが雑談を交わしながら食事をしていた。天安沈没を受け、李明博(イ・ミョンバク)大統領が5月24日に南北交易や交流の中断を宣言して以降初めて、束草港に北朝鮮産のマツタケが運び込まれたのだ。2日夜8時に束草港に到着した正昌号は、3日朝には4トンのマツタケの荷下ろしをすべて終えた。マツタケはすぐ近くの保管倉庫に運ばれ、ここで消毒を行い段ボールに箱詰めされた後、コンテナに入れられた。このマツタケは、買い取った企業を通じて近く、韓国国内に流通されるという。

 韓国政府が北朝鮮産マツタケの持ち込みを許可したのは、業者が5・24措置以前にすでに北朝鮮に代金を支払っていた分だ。今回持ち込みが認められた企業は5社。いずれも昨年、北朝鮮からマツタケを買い取る契約を結んで代金を支払っていたが、直後に商品を受け取ることができなかった企業だ。北朝鮮では昨年、マツタケが不作で、契約したうちのほとんどが搬入できなかったという。

 また、以前から束草港を通じて大量に持ち込まれていた貝類も、今後は一部の搬入が認められる見通しだ。北朝鮮からすでに貝類を買い取っていた2社に対し、統一部はすでに代金を支払った分に限り、持ち込みを認めた。

 しかし、これらの企業は5・24措置以前のように、北朝鮮の船を利用することができないため、中国船籍の船を借りることになる。天安沈没以降、政府は北朝鮮の船舶が韓国に運航することを禁じているからだ。ちなみに昨年は136隻、今年は4月末までに147隻の北朝鮮船舶が束草港に商品を運搬していた。

 業者が今回準備した中国船籍の船3隻は、荷下し作業を終えてすぐに束草港を出港し北朝鮮に向かったが、1週間後には再びマツタケや貝類を積んで束草港に入港する予定だ。

 5・24措置以降、北朝鮮産の農産物や水産物が韓国に持ち込まれたのは今回が初めてではない。仁川と南浦を結ぶパナマ船籍の定期貨物船が2週間に1-2回ほど、北朝鮮からカワニナなどの冷凍海産物を韓国に運んでいるが、これもすでに代金が支払われていた分だ。

哨戒艦「天安」沈没で中断していた北朝鮮との輸入取引が4カ月ぶりに再開された。李明博(イ・ミョンバク)大統領が南北交易の中断を宣言した5・24措置以降初めて、3日に北朝鮮産のマツタケが束草港を通じて搬入された。この日持ち込まれたのは、業者が5・24措置以前に代金を支払っていた分だ。/写真=キム・ジファン客員記者

束草=洪瑞杓(ホン・ソピョ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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