暗号のような医学用語(上)

日本式の用語を多用

分かりやすい韓国語で言い換え可能

患者と医師の疎通ができず「医学の発展のために用語を変えるべき」

事例(1)「緻密(ちみつ)乳房と石灰化沈着の所見、専門医の理学的検査と超音波検査を要望」

 ある女性が最近、乳がん検診を受けた際の結果通知書の内容だ。難解な暗号のようだが、簡単に説明するとこのようになる。「乳房の組織が密集しており、がんがあったとしても、その組織に隠れてよく見えない状態であり、乳がんがある場合に現れやすい石灰化が見られるため、専門医の診察を受け、超音波検査も受けることをお勧めします」

事例(2)「股(こ)関節外転筋(がいてんきん)の裂傷と、尾椎(びつい)部の蜂窩織炎(ほうかしきえん)。心悸亢進(しんきこうしん)と嚥下(えんげ)障害など、不安障害を併発」

 交通事故の後遺症に苦しむ患者の診断書の内容だ。これは、「股関節を開く外側の筋肉に裂けた傷があり、尾骨の周辺の柔らかい組織に炎症があり、さらに不安による症状として、動悸と食べ物を飲み込む際にも困難がある」という意味だ。

 入院したことがある人なら誰でも、英語の医学用語を使って医師同士がやりとりするのを、わけが分からないままぼんやりと眺めるしかなかった経験があるだろう。病院や医院で、患者に渡す所見書や、診断書には、まったく意味が分からない難解な言葉が多く使われている。専門医療関係者同士が使う難しい用語を一般の患者に対しても、そのまま使っているためだ。

 大韓医師協会が、『医学用語集』の第5版改訂版を出版し、大部分の用語が分かりやすい言葉に変えられたが、依然として多くの医療関係者が慣習的に、以前から使っていた用語をそのまま使っており、患者との意思疎通を難しくしている。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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