東北のニュース
東北初の家族承諾脳死 6例目判定 8人に臓器移植へ
日本臓器移植ネットワークは4日、東北地方の病院に頭部外傷で入院中の成人男性が法的に脳死と判定されたと発表した。男性は書面で臓器提供の意思を示していなかったが、家族が脳死判定と提供を承諾した。臓器の摘出は同日午後に行われ、移植手術を実施する各地の病院に運ばれた。(27面に関連記事) 移植ネットによると、男性は生前、家族と提供に関する話はしていなかった。家族は「本人は『意味のある人生を送りたい』とよく言っていたので、今回もどなたかの役に立ったと思っているはず。本人がどこかで生きていると思えることは、わたしたちの心の支えになる。家族で何度も何度も話し合い、決断した」と話したという。 7月に施行された改正臓器移植法に基づく「本人意思不明」の脳死判定は6例目で、東北の病院としては初めて。脳死移植は1997年の移植法施行以来93例目で、東北での臓器提供は2007年以来6例目となる。 提供された臓器の移植を受ける患者は8人。移植ネットが扱う臓器で、1人の提供者からはこれまでで最も多い。厚生労働省によると、アイバンクが扱う角膜を含めると、9人に移植された例はあるという。今回、角膜は提供されない。 心臓は東京女子医大病院で20代男性、肺の一方は岡山大病院で20代男性、もう一方は京都大病院で50代男性、肝臓は名古屋大病院で50代女性、膵臓(すいぞう)は藤田保健衛生大病院(愛知県)で20代女性、腎臓は福島県立医大病院(福島市)で50代男性と40代男性に一つずつ、小腸は九州大病院で20代男性にそれぞれ移植される。 移植ネットによると、主治医が2日、家族に重篤な状態だと病状を説明した際、「臓器提供について何か考えていますか」と尋ねたところ、移植について話を聞いてみたいと申し出たという。 家族は3日に脳死判定を承諾。1回目は3日午後4時38分〜8時2分に行われ、2回目は4日午前2時8分に始まり、午前4時に法的に脳死と判定された。 男性の年代や入院先の病院名などは家族の意向で公表されなかった。
2010年09月05日日曜日
 関連記事を取得中...
- 広域

△先頭に戻る
|
|