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ホッとニュース 【9月4日03時11分更新】
小松で50日連続真夏日 節約の空自基地、中は36度
3日午後2時から1時間半、小松基地の補給倉庫前と旧滑走路周辺で、災害派遣救助訓 練が行われた。隊員約100人は大規模地震発生時の被災地への隊員派遣に備え、的確な 救助手順を確認。気温が30度を超える中、さすがにみんな動作は機敏で、夏ばての様子 はみじんもうかがえない。「庁舎の中が外と変わらない」とは本当なのだろうか。 基地入り口に、外来受け付けの小屋がある。2日午後2時ごろに中に入ってみると、温 度計が示す室温は36度。金沢地方気象台の観測データによると、同じ時間の小松の気温 が33・6度だから、外よりも暑いことになる。これでは外と変わらないどころか、外の 方がましだ。 庁舎に入ると、やはり暑い。廊下は照明が消されていて薄暗く、10メートルほど先に いる隊員の顔すらよく見えない。高村善正渉外室長に事情を聴くと「消費電力が契約電力 を超えないようにするためなんです」とのこと。北陸電力との契約で、瞬間消費電力が基 準値を超えた場合には超過金が発生する仕組みになっているそうだ。 「照明を消してください」「エアコンを消してください」。瞬間的に消費電力が基準値 を超えそうだと、庁内放送がかかる。ある隊員は「8月は毎日のように放送がかかった。 そのたびにエアコンを切るから、不快指数は最悪ですよ」と苦笑いしていた。 高村室長によると、エアコンがフル稼働しはじめた7月以降、何度か基準を超えた日も あるという。7月に基準値を超えた直後、鶴田眞一基地司令が「現状を徹底的に分析して 対策を講じよ」と指示を出し、担当者は基地内を見回って細かく状況をチェックした。今 はエアコンや照明はもちろん、パソコンも使っていない時は電源を落としているというか ら、節約意識は並大抵ではない。 エアコンが動いていない部屋の窓を開け、うちわをあおぎながら暑さと戦闘機の轟音に 耐える隊員たち。防衛予算は今年度、4兆7千億円以上が計上されているが、小松基地は 無駄遣いとは無縁のようだ。時には「外以上」の暑さに耐え、いざとなれば機敏な動作を 見せる空の防人が、頼もしく見えた。
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