行政刷新会議の事業仕分けで「廃止」と判定された宇宙航空研究開発機構(JAXA)の広報施設「JAXAi」(東京都千代田区)について、文部科学省が来年度予算の概算要求を見送ったことが3日分かった。これにより廃止が確定した。今年度末までに原状回復の上引き払う必要があり、年末に営業停止の予定という。
文科省は、廃止後の代替施設は設けず、各地の博物館・科学館との共同事業や巡回展示を進める計画。
JAXAiは04年9月、JR東京駅前の商業ビル内に開館した。国産ロケット「H2A」のエンジンの実物や宇宙服の複製などを展示し、小惑星探査機「はやぶさ」の旅を描いた番組を上映するなど、日本の宇宙開発の最新事情を紹介している。今年度予算は9400万円。今年春の仕分けで「廃止」と判定された後に来場者数が増加したが、7月に視察した中川正春副文科相が「コストに見合っているのか」と存続に否定的な考えを示していた。文科省によると、仕分け結果に428件の意見が寄せられ、大部分が廃止に反対の意見だったという。【山田大輔】
毎日新聞 2010年9月4日 2時30分(最終更新 9月4日 9時47分)