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文化

檜山地方のアイヌ語集、秋田で発見 記録空白地埋める 北大で分析

(09/04 06:30)

「天地の部」など分類ごとに日本語の下にアイヌ語が記された古文書

「天地の部」など分類ごとに日本語の下にアイヌ語が記された古文書

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 これまでほとんど記録がない道南の日本海側のアイヌ語を記述した古文書が秋田県で見つかり、北大の研究者らが3日、他地域の方言との違いなどの分析を始めた。フトロ(現檜山管内せたな町)にいたアイヌ語通訳が江戸末期、実用のために作ったとみられ、単語約3200語と文章が日本語と合わせて記載されている。アイヌ語記録の地域的な空白を埋める資料として注目される。

 道南は江戸から明治期にかけて日本人が早期に数多く入ったこともあって、言語学者が研究を始める以前にアイヌ語の話し手が減少し、現在残る記録は八雲や長万部など噴火湾側に限られている。

 見つかった語集は、交易拠点の運上家をフトロで経営し、通訳でもあった第3代森市右衛門(1828〜90年)の子孫が、「本人が作った」との伝承とともに所蔵。今夏、同県にかほ市が購入し、北大が借り受けた。

 同市の象潟(きさかた)郷土資料館を通じて語集の意義を見いだした札幌大の本田優子教授(アイヌ語・アイヌ文化)によると、1800年ごろ刊行された初のアイヌ語辞典「藻汐草(もしおぐさ)」の体裁を取り「人物の部」「鳥獣魚虫の部」など10分類で単語を掲載しているが、異なる単語が多数あり、語数も540語ほど多い。巻末には「フトロ」と地名が明記されている。

<北海道新聞9月4日朝刊掲載>

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