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押尾被告 写メで息子の顔を見た後に…

 合成麻薬MDMAを一緒にのんで容体が悪化した飲食店従業員・田中香織さん=当時(30)=を死亡させたとする保護責任者遺棄致死、麻薬取締法違反(譲り受け、譲渡、所持)の罪に問われた元俳優・押尾学被告(32)に対する裁判員裁判の初公判が3日、東京地裁で開かれた。押尾被告は保護責任者遺棄致死罪について「保護責任はありません。わたしは無罪です」と無罪を主張。譲渡罪も起訴内容を否認した。初めて有名人が対象となる“劇場型・裁判員裁判”が、ついに開廷した。

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 昨年12月に再逮捕されてから9カ月。押尾被告の白髪交じりの髪は肩まで伸びた。黒のスーツに白シャツ、ブルーのネクタイ姿。やつれた表情だが、眼光は鋭い。証言台に背筋を伸ばして立ち、用意していたメモをよどみなく読み上げた。

 押尾被告は4つの罪のうち、譲渡罪と保護責任者遺棄致死罪については無罪を主張。「MDMAを(田中さんに)渡していないので、保護の責任はありません。人工呼吸もし、放置してもいません。私は無罪です」。また、使用したMDMAについて「錠剤ではなく粉末です」と堂々と起訴内容を訂正する場面も。

 証拠資料の説明が始まると、押尾被告はみけんにシワを寄せ、厳しい表情で紙資料とモニターに目を走らせた。一方で、モニターに田中さんの遺体写真が映し出された際には、当時の記憶がよぎったのか目を背ける場面もあった。

 一方、検察側は新事実も“暴露”した。田中さんと一緒にMDMAを服用し、性交渉に及ぶ直前には、押尾被告に当時の妻・矢田亜希子(31)から息子の写真入りで、携帯にメールが届いていたという。カワイイわが子の顔を見た後に、取り返しの付かない悲劇が訪れたことになる。

 第2回公判は6日。違法薬物を一緒に使った経験があると供述している女性や押尾被告の元マネジャーらの証人尋問を行う。

(2010年9月4日)





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