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ネーミングで、とりかえしのつかない一歩を踏み出さないために。

中村 修治
有限会社ペーパーカンパニー 株式会社キナックスホールディングス 代表取締役
4.4
53,715
2009年4月21日 09:56

「とりかえしつかないことの第一歩 名付ければその名になるおまえ」と詠んだのは俵万智さんである。
社会全体に、とりかえしのつかない第一歩を踏み出したようなネーミングが氾濫していると感じているのは、どうも私だけではないようだ。

珍しい名前ををみんなで評価するサイト「DQNネーム」には、4月20日に、こんな名前が新しく登録された。流楽→るんら、愛々→なな、桜心→ももね、詩映愛→しえら、洛→りいち、美心菜→みふぁな、翔飛→しょう、肇陽→はっぴ、綺麗麗→きらら、宙大→ゆうだい・・・これじゃ、一見では、絶対に読めない。先生って、大変だなぁ。今日も、読めない名前がどんどんと増えているのだ。


その昔、子供の名前につけたい漢字の意味や読みには、「こんな人になってほしい」という想いが託されていた。だから、幸・豊・仁・義・礼・智・信・直・博・貴・真・優・秀・良・和・美・清などが使用されていた。親なら誰もが願う、子供達への想いが同じだったから、よく似た名前も多かった。南総里見八犬伝の中に出てくる漢字が、自分の名前に入っていることを誇りに思ったりした人達も多かったろう。


そして、時代は変わった。個性が重視され、価値の多様性を認めなくてはいけない。だから、使われる漢字も、バラエティ豊かになった。翼・翔・颯・陽・菜・葵・桜・望・優・彩・凛などなど、画数の多い判読の難しい漢字が、命名に使われるようになった。それ自体を悪いとは思わない。


しかし、意味や託したい想いより「呼び名=音」を優先させて、難しい漢字を組み合わせるのは、いかがなものだろうか?奏風→カナタ、琥神→ライガ、乃海→ノア、翔空哉→カグヤ、琉希亜→ルキア、晴心→セイン・・・残念ながら読めない。かわいければいいじゃん。目立った方がお得でしょ。という問題ではない気がする。
大きなお世話だと言われれば、それまでなのだが・・・。

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シリーズ: 私的マーケティング論


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この記事へのコメント

2009年7月8日
凝った名前を付けることこそが1回目の虐待のような気がします...

2009年4月23日
Makkeyさん コメント、ありがとうございます。 週刊文春を読ん...

2009年4月22日
とっても素敵な記事です、これは。 すべての親御さん、学校の...

2009年4月21日
私の知人にも妙な名前をつけてしまった友人夫婦がいます。「...

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