米原タンク殺人事件　初公判は１１月４日　滋賀

　■裁判員裁判、１０日間の長期審理に　

　米原市で昨年６月、長浜市今川町の小川典子さん＝当時（２８）＝が頭などを殴られ、瀕死（ひんし）の状態で汚水タンクに投げ込まれ殺害された事件で、殺人罪に問われている森田繁成被告（４１）の第９回公判前整理手続きが３日、大津地裁（坪井祐子裁判長）であり、裁判員裁判の初公判を１１月４日に開くことを決めた。事件発生・逮捕からほぼ１年５カ月をへてようやく公判が始まるが、森田被告は起訴内容を否認しており、裁判員は難しい判断を迫られることになる。

　判決は１２月２日に言い渡される予定。

　公判前整理手続きは、公判前に争点を絞り込むために行われ、昨年５月の裁判員裁判開始から本格的に導入。この事件では、昨年１０月から始まり、この日まで計９回行われた。森田被告が起訴内容を否認していることから、時間がかかったとみられる。

　裁判員らが審理する開廷日数は１１月４日から同２２日まで、土日曜日など９日間を除く１０日間にわたり、長期間の審理となる。裁判員の選任手続きは１１月２日に行われ、選任手続きを含めた判決までの日数は３１日間に及ぶ。

　弁護側によると、森田被告は「身に覚えがない」と一貫して無罪を主張。検察側は車内などから検出した被害者の血痕や目撃証言など間接証拠の積み重ねで立証するとみられる。

　起訴状によると、森田被告は、昨年６月１０日午後９時から同１１日午前１時ごろの間、米原市伊吹の汚水タンク付近で、交際していた小川さんの頭などを鈍器のようなもので殴り、瀕死のけがを負わせたうえ、汚水タンクの中に落とし、窒息死させたとされる。