書籍案内

太宰治ADHD説
医師の読み解く「100年の謎」


富永 國比古 [著]

四六判並製/200ページ/本体価格1,400円
ISBN 978-4-88320-510-3

太宰治と“苦難の文学”を読み解く

著者は医師として活躍する一方、太宰治の直弟子・菊田義孝より文学の手ほどきを受け、太宰研究を続けてきた。そこから見えてきたものは、著者が臨床で日々接している"発達障害"というテーマ。資料を渉猟し、作品を読み込み、人物像を探れば探るほど、「ADHD(注意欠陥・多動性障害)およびアスペルガー障害としての太宰治」が浮かび上がる。
本書は、ADHD、アスペルガーという現代社会の難問を決して悲観的ではなくむしろ前向きに、太宰治という異能の人物を通して読み解いています。これは太宰研究者であると同時に、現場で"発達障害"と格闘する著者にしかできなかった仕事となりました。

著者紹介

富永國比古(とみなが・くにひこ)
1949年、福島県生まれ。岩手医科大学医学部卒業、米国ロマリンダ大学大学院博士課程修了。産婦人科専門医。医学博士・公衆衛生学博士(米)。ロマリンダクリニック(婦人科、心療内科)院長。2010年4月から星野仁彦医師とともに「成人女性を対象とした発達障害外来」を開設。本書では、太宰治の作品と生涯を、ADHD、アスペルガー症候群の視点からとらえ直した。