「一番苦手なことを…」小沢氏“頭下げる”

民主党の谷亮子参院議員（左）の事務所に、あいさつ回りに訪れた小沢前幹事長 Photo By 共同

　民主党代表選（１４日投開票）に出馬している小沢一郎前幹事長は３日午前、テレビ朝日の番組で、首相になった場合、収支報告書虚偽記入事件をめぐり検察審査会が小沢氏の強制起訴を議決すれば、起訴に同意し裁判に臨む考えを明言する一方、現在の検察審の在り方に疑問を呈した。

　憲法の規定で首相は自ら同意しなければ訴追されないとされるが、「首相に就任して強制起訴となったら同意するのか」との問いに「はい。堂々と受けて自分の潔白を主張したい」と強調した。

　検察審については「強制力を持った捜査当局が捜査して何もなかった、不起訴だということについて、一般の素人の人がそれをいいとか悪いとかいう今の検察審査会の仕組みが果たしていいのかどうかという議論は出てくる」と指摘した。

　小沢氏の資金管理団体を舞台にした事件は、東京第５検察審査会が、１０月にも２度目の議決をする可能性がある。小沢氏の発言は検察審への圧力とも受け取られかねず、野党などから批判が相次いでいる。

　テレビ出演後は、「小沢ガールズ」の谷亮子参院議員や岡本英子衆院議員ら支持議員を引き連れ、党所属国会議員の議員会館の事務所を“戸別訪問”。にこやかに「よろしくお願いします」と頭を下げて回ったが、「一番苦手なことをやってます」と本音をポロリ。鳩山由紀夫前首相の事務所では、鳩山氏から「テレビで生の小沢先生が映されて好感度が上がってますよ」と持ち上げられ、「いやいや、嫌われ者ですから」と応じる場面もあった。鳩山氏、輿石東参院議員会長らとは、報道陣を締め出し５分ほど会談。夕方にすべてを回り終えると、「あ〜」と疲労感をにじませていた。

[ 2010年09月04日 ]