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沖縄の矛盾 歌詞に乗せ ビギンが新アルバム

全9曲収録 

2010年8月20日 09時35分この記事をつぶやくこのエントリーを含むはてなブックマークLivedoorクリップに投稿deliciousに投稿Yahoo!ブックマークに登録

 結成20周年を迎えたビギンが9月8日、アルバム「ビギンの島唄(うた) オモトタケオ3」をリリースする。NHKの「ラジオ深夜便」で「深夜便のうた」として9月まで流れる「パーマ屋ゆんた」ほか、「アンマー我慢のオリオンビール」「金網移民」「医者半分ユタ半分」など県民の日常生活や抱える矛盾をビギンスタイルの「島唄」に仕立てた9曲を収録。美しいメロディーと歌声に、沖縄の「今」を乗せた充実の1枚に仕上がった。

 「島人の宝」「オジー自慢のオリオンビール」などヒット曲を生んだ「オモトタケオ2」から8年目のシリーズ新作。取りかかるまで、メンバーの間でさまざまな議論があったという。焦点は米軍普天間飛行場の移設問題。「全国ニュースで基地問題が伝えられる中、何を歌えばいいのか」(島袋優)と自問自答した。

 深刻な歌を織り交ぜた方がいいのか、新作の発表を見送った方がいいのか。たどりついたのは「政治の流れとは違うところで音楽は作らないといけない。こんな状況だからこそ、明るい歌を」(比嘉栄昇)という結論だ。

 その議論は歌詞にも反映される。男たちが「あっり乾杯」と浮かれている時、台所で忙しく働く女たちを歌った「アンマー我慢のオリオンビール」には、「あわの向こうに夕陽(ゆうひ)が沈む/そこをジェットが飛んで行く/信じたくても裏切られ」のフレーズ。

 これまでなら「沖縄が抱える基地の状況は、説明なしでは伝わらない」(島袋)と、作品化しなかった基地にかかわる風景も「金網移民」ではストレートに表現。「道路にお菓子をならべたら/フェンスに向かって両手を合わす」には、沖縄の人の意思とかかわりなく基地が建設された様子が映し出されている。

 「結成20年の節目、ビギンの島唄の新曲を待っている人が全国にいる」(上地等)と、「祝い古酒」「おもろまちで拾った恋だもの」など沖縄のさまざまなシーンを曲にした。曲調も八重山民謡あり、昭和歌謡風ありと多彩。3人はアルバムに込めた思いを「ビギンの島唄を入り口に、沖縄のいろんな島唄を日本中の人が当たり前に聴くようになってほしい」と説明する。

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