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大阪市に1億2千万円賠償命令 市立高校の体操部事故で 大阪地裁
大阪市立の高校体操部の練習中に事故に遭い後遺障害が残ったのは顧問が注意義務を怠ったためとして、元部員の男性(21)と両親が市に損害賠償を求めた訴訟の判決が3日、大阪地裁であった。田中健治裁判長は注意義務違反を認定、約1億2千万円の賠償を命じた。
判決によると、男性は平成17年5月、体育館で平行棒の練習中、高い難度の試技の後、左側のマット上に前のめりの体勢で着地。そのまま前方に倒れ、マット外側の床に前頭部を強打、頚(けい)髄(ずい)損傷の傷害を負った。
田中裁判長は判決理由で「事故当時の技の習熟度は高いとはいえず、着地に失敗することを予見できた」と指摘。マットは平行棒の左右と真下にしか敷かれていなかったが、公式競技などでは前後にも設置されているとして、「落下が予想される広い範囲に敷いていれば事故を防げたにもかかわらず注意義務を怠った」と判示した。