アニメ製作会社のグループ・タック(東京都渋谷区)が8月末、東京地裁に同社取締役によって準自己破産を申し立てられたことがわかった。東京地裁は1日付で破産手続き開始の決定を出した。信用調査会社の帝国データバンクによると、負債は約6億5千万円という。
タックは1968年設立。「まんが日本昔ばなし」や「タッチ」などのテレビアニメ、「あらしのよるに」などのアニメ映画の製作を手がけた。帝国データバンクによると、売上高は2007年8月期には約15億円あったが、広告収入の低迷や少子化によるテレビアニメの受注減などで09年8月期には約6億円に落ち込んだ。
今年7月には、タックを設立した社長の田代敦巳氏が70歳で死去したこともあり、事業継続が難しいと判断した。
故田代氏は音響監督として「鉄腕アトム」や「ルパン三世」など数多くのアニメ作品を手がけた。グループ・タック設立後、アニメ映画「銀河鉄道の夜」「源氏物語」などでプロデューサーを務めた。08年には東京国際アニメフェアの功労賞を受賞した。