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第1章 統一教会における経典問題

【5】 「統一教会の教理」に関するその他の「解説書」

 その他、統一教会の出版社である「光言社」からは、『原理講論』以外に、統一教会の教理(特に神学面)についての「解説書」(補足説明)が何冊か出されてはおりますが、その理論的展開を見ると、どれも“特定の思想(他宗教や異端的見解)”に対する“対策的論駁”に偏っている傾向が強く見られます。

 それらの書籍に提示されている見解は、とても文先生の『御言』全体を網羅した立場から主張しているとは思われず、「本当にそのような教理的見解が、正式な文先生の思想(神学)なのだろうか?」と、疑問に思わざるを得ないところが数多く見出されます。

  文先生の直接の『御言』に基づく思想的観点に立って詳細に精査してみると、文先生の『御言』の根拠がどこにもないような主張や、極端な場合は“正反対な説明”となっているものすらあるのです。

  「統一原理」の教学的主柱ともいえる『原理講論』『統一神学』『統一思想』“不足面”と“偏った見解”は、その他のあらゆる「教理解説書」に影響し、文先生が『御言』の中で提示しておられる「原理観」とは似ても似つかない見解になってしまっているも数多く見られるのです。

 このような現状は一体何を物語っているのでしょうか。

  それは、統一教会の信徒一人一人が、統一教会で出版された本の内容は“全て正しい”といった、 頭から決めつけた“非現実的”“思い込み”の姿勢を改め、常に、再臨主であられる文先生が語られた“直接”の『御言』に照らし合わせながら、“何が正しい原理観なのか”を、深い真摯な祈りと共に、見極めていかなければならないことを示しているのではないでしょうか。

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救済論の問題点 目次
はじめに
第1章 統一教会における教典問題
【1】統一教会の「教理」と『原理講論』
【2】『原理講論』の“教典的位置”としての問題点
【3】『統一神学』の問題点
【4】『統一思想』の問題点
【5】「統一教会の教理」に関するその他の「解説書」
【6】文先生の『御言』の中にある「最終的真理」
 
第2章 統一教会の救済観の問題点
【1】「霊肉共の救い」を主張した統一教会
【2】統一教会の主流的救済観─「法廷論的贖罪観」の問題点
【3】「法廷論的贖罪観」が強調されるようになった経緯
【4】「法廷論的贖罪観」の強調は、“反対牧師対策”がその背景。
【5】「法廷論的贖罪観」の問題点。
【6】統一教会内にあった「二つの見解」
【7】「実存と法廷的評価」の分離は「キリスト教型の救済観」
【8】「罪」と「堕落性」の関係
【9】「罪と堕落性」という“対比の仕方”の問題点
【10】「堕落性本性」の内容と「罪」との関係
【11】「性質としての罪」の概念
 
【12】「堕落性」という言葉
【13】 「思い」や「性質」は“罪ではない”と主張する統一教会
【14】 「堕落性と罪」のより適切な対比表現
【15】 キリスト教における「堕落性と罪」の概念
【16】 「原罪」ついての二つの捉え方
【17】 人類始祖の犯罪行為としての「原罪」概念の問題点
【18】 「神の血統」の真の意味
【19】 「淫行関係」と「血縁関係」の概念の混乱
【20】 「罪の遺伝(転嫁)」とは?
【21】 「法廷論的贖罪観」の論理的問題点
【22】 もう一つの救済観─「生物学的血統転換論」の問題点
【23】 統一教会に混在する「二つの救済観」
【24】 『御言』にみる「正しい血統的転換論」
【25】 「心の遺伝」
【26】 「救済論」における「義認」と「聖化」
【27】 統一教会の救済論の重点は、「義認」より「聖化」
【28】 「義認と聖化」は“同時的”に実現
【29】 「罪と堕落性」「義認と聖化」からみた「イスラエル(選民圏)の変遷」
【30】 統一教会の本来の目的は「聖化」の完成
【31】 「第三イスラエル」としての統一教会と「第四イスラエル」時代の到来
あとがき