「祝福二世」の原理的な立場を知るためには、まず父母たち「祝福一世」の原理的な位置を正確に理解しておく必要があります。
第1章で説明したように、統一教会の存在目的は、第2イスラエル選民圏であるキリスト教の基盤を蕩減復帰するためのものでした。そして、祝福家庭の原理的立場は、新しい第3イスラエル選民圏への入籍に止まり、原罪清算や血統転換を成就した立場ではありませんでした。キリスト教と同じように象徴的霊的救済の範囲であるため、将来、実体的救済を受けなければならない立場です。
このような基準の祝福家庭を、文鮮明師は「条件的祝福家庭」と呼び、「本然の祝福家庭」と明確に区別しておられます。「本然の祝福家庭」とは、神の愛を体恤し、第一祝福を完成した人同士の結婚によって現れる「創造本然の真の家庭」のことです。統一教会の教育では、「条件的祝福」と「本然の祝福」が混同され、自分達が受けた条件的祝福で、原罪が清算され、神の子になったものと誤った認識をしているのです。(第9条)
「本然の祝福家庭」になってこそ、神の血統に連結された神の子となるのであり、原罪だけでなく、全ての罪の清算が終了した立場に立つことができるのです。そのような基準に到達した人は、心と体が統一された真の愛の人格完成者であり、創造本然の理想的夫婦、理想的家庭を築き得るのです。このような家庭が集まることによって、理想国家、理想世界が顕現し、これこそが、神やメシヤが求めてきた、復帰完成された人間を中心とした本然の理想世界の姿となるのです。(第10・11条)
現在の統一教会内で条件的祝福を受けた人々の姿は、本然の祝福基準と大きくかけ離れていることを、謙虚な心をもって認識しなければなりません。原理を無視し、現実を無視して、盲目的に天国を夢見るだけの信仰では、自分自身の人生に、本当の幸福を実現することはできません。
祝福二世の原理的な位置は、祝福一世の原理的基準を飛び越えて、復帰完成された神の子として生まれた立場ではありません。祝福二世は、父母たちが到達した原理的な位置をそのまま引き継いで生まれます。もし、父母たちが心情の8段階を、僕の僕から始めて、僕、養子、庶子、実子、真の夫婦、真の父母、神へと一段階ずつ成長し上がって行かなかったのであれば、どんなに長く信仰生活を続けても、復帰された立場に立つことはできません。(第3条) 実子の基準が長成期完成級を越えた位置にあり、神の子としての真の愛の人格を完成した基準です。この基準に到達して初めて、原罪清算や血統転換を成就した立場に立つのです。
祝福一世の皆様は、是非、ご自分自身の信仰路程を振り返って、いつどのようにしてこの段階を上がったのかを考えてみてください。まず、僕の僕の位置に原理的に立つにはどのようにすれば良いのでしょうか? そして次に、僕の基準に上がり立つにはどのようにすれば良いでしょうか? そのためにはどれくらいの期間が必要なのでしょうか? 文鮮明師の御言によれば、そこには原理的な公式があると説明されています。(第31条)
祝福二世たちは、是非、あなた方の父母に尋ねてみてください。もしも、明確に上がる方法について答えられないのであれば、また、各段階ごとに明確に上がった時を認識していないのであれば、残念ながら未だ、一世である父母は縦的な8段階を上ってはいないのです。なぜならば、蕩減復帰の原理は曖昧ではないのです。縦的路程は、堕落人間が必ず行かなければならない公式的な人間(自分自身)の責任分担としての道です。そして、縦的路程は心情復帰の8段階路程であるために、必ず人格的な心情の成長を伴っていなければならないのです。(第31条)
また、無原理圏にいる堕落人間は、蘇生期、長成期と段階的に上がって行き、長成期完成級に到達してメシヤを迎えなければならないのですが、いつどのようにしてその段階を越えて行ったのでしょうか? (第7条) 復帰の道は原理の公式に合わせて行かなければなりません。そうしなければ、神の血統に入ることも原罪を清算することもできないのです。(第13条)
現在、祝福を受けている人たちは、メシヤを迎える前にいつどのようにして信仰基台を立てたでしょうか?「私」自身の実体基台はどのようにして立てたのでしょうか? そして、メシヤのための基台をいつどのようにして確立させたのでしょうか?
「原理講論」が教えてきた救済の原理は、長成期完成級までの縦的段階を復帰し、「メシヤのための基台」を確立した基盤の上にメシヤを迎えなければならないことが明示されています。(原理講論 277頁 メシヤのための基台)
長成期完成級を越えるには、奇跡的に引き上げられたりはしません。また、メシヤの権能によって他力的に一方的な法廷的許し(法廷論的贖罪)によって罪が免除されもしません。もちろん献金の額によって救いが決定されたり、準備なく、ただ祝福の儀式に参加しただけでは不可能なことです。それは、どこまでも原理的公式路程を歩み、人間の成長期間を一歩一歩上って行かなければ実現できないのです。
復帰は再創造原理です。人間の成長期間を私たち自身の責任分担において上がって行かなければならないのです。即ち、創造本然の姿に自分自身を成長させ再創造しなければなりません。そして、アダムとエバが越えることのできなかった基準である長成期完成級において、サタンを完全に屈服させ、初めて復帰完成された人となることができるのです。(第7条)
長成期完成級を越え、実子圏に立って神の子となった人の基準は、イエス様のように「わたしが父におり、父がわたしにおられる」(新約聖書 ヨハネ福音書 14章10節)という神の実体としての心情基準と「それだから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい」(マタイ福音書 5章48節)(第26条)という、真の愛の基準をそなえた完全な人格完成者になっていなければなりません。また、このような基準に立つ人こそが、神の愛を中心として心と体を統一し、第一祝福を完成した原理的位置に立った人なのです。これこそが、文鮮明師の御言に指摘されている神の血統を持った「神の子」という基準です。
本来、父母が第一祝福を完成した立場で結婚することが創造原理であり、復帰原理でもあります。神の心情と通じ、心と体が統一された基準において初めて男女が結婚し、愛の関係を結ばなければならないという教えが文鮮明師の示された原理の基本です。(第27条)
父母が完成した位置に上がっておらず、復帰していないにもかかわらず、その子供たちだけが、突然変異的に父母と違う神の血統で生まれたり、長成期完成級以上の神の実子基準に飛び越えて生まれることは有り得ないのです。(第18・19・24条)
統一教会に来て正しく信仰し善なる生活をした父母からは、その蕩減復帰基準(罪の清算)が相続されます。逆に、統一教会の中で高い位置や長い信仰期間を持っていたとしても、神の前に内的に誤った信仰、悪なる動機をもって生活した父母からは、より重い蕩減(罪)を相続せざるを得ないのです。これが原理です。
以上のような原理的観点から見ると、残念ながら、一世の父母たちの蕩減路程がまだ残っているために、祝福二世たちも同じように、残された蕩減路程を行かなければならないのです。(第20・25・89条)
2001年から、二世を中心とした第2次40年路程が始まっています。この時代は、第3イスラエル選民として統一教会の一世が歩んだ40年荒野流浪時代とは全く違います。第2次40年路程は、カナンの地に定着した天一国(第98条)を建設し、祝福の理想が天宙的に実現される新しい朝の成約時代を迎えています。これがすなわち、第4イスラエル時代なのです。(第99条)
この時代は希望の時であり、神が聖書に約束された救いが成就される成約の時です。また、文鮮明師の全生涯をかけた蕩減復帰摂理が終了し、祝福二世を中心として神の創造理想に一致した心情文化世界が創建されなければならない時代です。
第4イスラエル時代は、全世界の祝福二世たちが力を合わせれば、神の国が実現可能な範囲内にあり、そのためには、正しい原理教育が必要です。成約時代の完全な真理は、文鮮明師の御言の研究なくして得ることはできません。新しい時代の神からのメッセージ「原理本論」を学んで、成約時代を正しく歩んで行きましょう。(第44・46条)